男性の妊活 5つのポイント。夫もしっかり取り組んでほしい
妊活は、夫婦で一緒にしないとなりません。妊娠するには男女どちらも必要なんですから、当たり前ですよね。
ところが、世間には「妊活に協力しない夫」「興味のない夫」もいたりします。
また、協力したくても、何をどうしたら良いか分からない人も、かなりいると思います。
そこで、この記事では、妊活で夫が何をすべきなのか?という具体的な内容についてまとめてみます。
ポイント1 夫が精子の質・性機能が衰えないように気を付ける
まず、基本的なこととして、精子の質が劣化しないように気を付けないとなりません。
「子供なんて、そのうちできるだろう?」なんて軽く考えないでくださいね。
現在の日本では、夫婦の6分の1は不妊治療や不妊に関する何らかの検査を受けているというデータがあります。
また、WHOの調査によると、不妊症の原因は、男性側が24%、女性側が41%、両方にある場合が24%、原因不明が11%と言われています。つまり、不妊の場合、約半分の確率で、男性にも不妊原因ということになりますね。
※このことは、内閣府「共同参画」2月号にも掲載されています。
ところで、男性の不妊原因は、「精子に何らかの異常がある」「性行為が出来ない」のどちらか。
これらを防ぐのはある意味当然ですが、一体どうしたら良いのでしょうか?
夫には次のような「生殖器官に悪いこと」をしないようにする・・・ということの重要性を理解してもらえると、妊活がスムーズにいきます。
睾丸を温めないようにする
睾丸を温めるのは、精子の質を悪くするので厳禁です。
ブリーフよりもトランクスを履いて蒸れないようにすること、長風呂やサウナをさけること、ノートパソコンを膝に乗せて作業しないようにすることなどが大切です。
長時間の自転車はNG!
長時間自転車に乗っていると、ペニス近辺の血流が悪くなりEDの原因になります。スポーツタイプの自転車で、毎日自転車通勤している人は特に注意して下さい。
AG治療でプロペシアを使用すると男性機能に影響が出る
AG治療で使用されるプロペシアには、男性ホルモンを抑える働きがあるので、勃起障害、性欲減退、射精障害、精子数の減少などの副作用があると言われています。
夫の喫煙が夫婦両方の妊娠力を低下させる
妊活するなら、夫には何とかして禁煙してもらって下さいね。
夫の精子の劣化、EDを招くほか、受動喫煙によって妻の妊娠力まで低下させてしまうんです。
禁欲はかえってダメ!
「禁欲をしたほうが精液がたまって妊娠しやすくなる」と考える人は少なくないでしょう。
しかし、実は禁欲はかえって精子の質を下げてしまうんです。
基本的には定期的に出した方が良さそうですが、出しすぎもよくないので、頻度には注意しましょう。
大体1〜2日ほど間をあければ十分とされています。
ただし、不妊治療中に医師から指示があった時には、それに従うようにしてください。
ポイント2 夫はわがまま言わないようにする
夫の側からしたら、わがまま言っているつもりがないかもしれないんですが・・・妻にかける負担をなるべく減らしていく努力はして欲しいです。
「妊娠したいって思った時の初めの一歩!妊活の基礎はこんなこと」でも書いたように、妊活するなら、妻は体調に細かく気を使わないとなりません。
食事に気を付けながら、体のメンテナンスをしっかりやっていかないとなりません。運動したり、体重コントロールをしたり、冷えを解消したり・・・とても大変です。生活のリズムが狂いがちになっては、せっかく取り組んだことが、振出しに戻りかねません。
さらに、ストレスをためることは、出来るだけ妊活中はさけたいもの。精神的なものもそうですし、身体的なストレスも避けないと、体の酸化を招いてしまいます。そうなれば、卵子の老化の原因になるなど、妊娠力を大きく落としてしまいます。
妊活をスタートしたら、夫は、少しでも妻がリラックスできるように、家事などで体に負担がかからないように、そして規則正しい生活ができるように協力を惜しまないでください。
ポイント3 排卵日について知っておこう
タイミング法は妊活の第一歩
妊娠をしやすいタイミングっていつか知っていますか?
結論から言うと、妊娠の確率が高まるのは排卵日なんです。
でも、
「排卵とか生理とか、学校で習ったけどよく覚えてないや」
なんて男性もたぶん多いはず。
妊娠しやすいタイミングを知るには、まずは「生理、排卵のしくみとホルモンの名前」を読んで、基本的なことについて知っておきましょう。
さて、排卵日に妊娠の可能性が高いならば、この時期にセックスをするのがいいですね。
そこで、排卵日を予測して自然妊娠の確率を高める「タイミング法」が、不妊治療の第一歩となります。
では、排卵日はどうやって予測するのでしょうか?
排卵日を予測するには、基礎体温とホルモンのチェックが必要です。
基礎体温てなんだっけ?という人は「基礎体温とは?」をどうぞ。
排卵検査薬でタイミングをチェック
排卵日をピンポイントで予測するには、ホルモンの分泌をチェックします。
それは、排卵は黄体化ホルモン(LH)によって促され、このLHが排卵日前には急激に分泌されるから。
この現象を「LHサージ」といい、排卵検査薬でこのLHサージが発生したかどうかを調べることで排卵日が予測できるんです。
排卵日が予測できたら、医師からセックスをする日を指定されます。
ただ、子作りのための義務的なセックスがストレスとなり、肝心な時にたたないなんてこともしばしば。
不妊治療によって勃起不全になってしまう「妊活ED」になるケースもあるので、そのへんは夫婦でしっかりとコミュニケーションを取るようにしたいですね。
ポイント4 不妊治療に行く場合は、必ず夫も行く
最初にも書いたように、不妊の半分は、夫にも不妊原因があると言われています。ですから、不妊治療の初診では、必ず夫も一緒に行きましょう。
夫に不妊原因があるのに、それを発見できないまま不妊治療を続けてしまえば、時間と費用が浪費されかねません。
精液検査などは、夫からするととても嫌なものかもしれませんが、妻もそれ以上に頑張っているわけです。また不妊治療は、妻に大きなストレスがかかります。一人でそのストレスを負ってしまうのは、あまりにも辛いものです。
不妊治療は、スタートの段階で「夫婦で一緒にやっていく」という前提を作ることが大切です。
ポイント5 自分の男性機能について知っておく
妊活をするにあたって、自分の男性機能について知っておくことは重要です。
また、男性だけでなく女性も、精液検査の結果を聞く際に必要な知識は持っておいたほうがいいですね。
例えば、精子ができるまでに何日かかるか知っていますか?
精子は精祖細胞が細胞分裂をすることでつくられ、この期間は約80日といわれています。
そして、この精子が他の分泌液と混ざったものが精液となります。
では、精子の状態はどのように把握したら良いのでしょうか?
実は精子の状態は目で見てもわからないんです。
例えば、精液の濃度がドロッとしていて濃いほうがいいとか、色は透明よりも白いほうがいいと思っている人もいますが、これらは精子の質や状態とは関係ないんです。
こうした知識があると、検査や不妊治療の説明を受けた時に理解しやすくなると思います。
ポイント6 精液検査を受けて、男性不妊かどうかチェックする
男性妊活で重要なのは、自分の精子がどういう状態なのか知る事です。
その為、不妊治療専門の病院などではすぐに「旦那さんの精液検査をしましょう。」と、言われます。
これは、いくらタイミングをとっても、排卵がちゃんとされていても、精子の状態によっては妊娠することが難しいからなんです。
男性は、精液検査と聞くと「・・・。(絶句)」となる方が多いと思います。
私の旦那さんも最初はそうでした。
でも、精子の状態が良くないまま、頑張って妊活を続けていても、無駄な時間を過ごしてしまう可能性だってあるんです。
そして、卵子と同じように、精子の質も年齢によって低下すると言われています。
精液検査を受けて、自分の精子の状態を知っておくのはとっても大切な事なんですね。
不妊治療専門の病院に行くのは抵抗がある、という場合は男性専用クリニックや泌尿器科などで検査出来るところもあります。
検査の大まかな流れとしては、まず問診で生活習慣や夫婦の性生活を確認します。
その際に、視診・触診で睾丸の大きさや柔らかさなどがチェックされます。
次に自分で精液を採取して、検査・結果報告という流れが一般的ですね。
精液を取るのに、クリニックでは「採精室」という専用の部屋があることが多いのですが、総合病院ではトイレでなんてことも…
自宅採精といって自分の家で精液を採取してから、それを病院で持っていく方法もあります。
詳しくは下のリンク先の記事を読んでみてください。
ポイント7 男性不妊の原因を正しく知る
精液検査をすると、様々なことがわかります。
精液量や、精子の数、運動率など、どれも妊活中に大事なことです。
ED(勃起不全)等の、自覚症状があるものだけではありませんので、「自分はちゃんとセックス出来るんだから問題ない!」と、いう事ではないんですね。
例えば、乏精子症・精子無力症・無精子症・精索静脈瘤、、、実は男性不妊の原因っていくつもあって、自覚症状の無いものもあるんです。
そうした、自覚症状のない場合でも治療法はあります。
早くに不妊の原因を知る事で、スムーズな妊活をスタート出来る訳です。
ポイント8 精子は老化する?
精子の状態というのは、年齢と共に変化をしています。
「精子の場合は、新しい精子がどんどん作られるんだから大丈夫なんじゃないの?」
と、思われるかもしれませんが、実は陰嚢の中で、すでに精子の老化は始まっているのです。
この「老化」の原因というのは、酸化ストレスです。
体内で発生する、活性酸素やフリーラジカルによって精子の中のDNAが傷つき、ダメージを受けてしまうんですね。
また、精子の年齢的なボーダーラインは35歳とも言われており、夫の年齢と妊娠率についての研究では、夫の年齢が35歳以上になると妊娠率が下がったという結果も発表されています。
そのため、一人目を自然妊娠できても、二人目がなかなかできない「二人目不妊」になることもありえます。
精子の質は体調やストレスでも変化しますし、高齢になるほど精子の力は衰えてしまいます。
人工授精や体外受精の場合でも、精子の老化は勿論不利になりますので、不妊治療の場合、成功率も低くなってしまいます。
つまり、精子も加齢とともに、数が減り、運動率や受精率にもかかわる、全体的な機能が低下してしまう事がわかっているのです。
ポイント9 男性の妊活に良い食事とは?
男性妊活にも、食事での良い効果というのはあるのでしょうか?
精力をつけるだけでなく、精子の質を良くする為にも、食生活というのは重要な妊活ポイントです。
例えば、パンやお米などの炭水化物がメインになった食生活ですと、精巣機能を維持することや、精子の材料となる栄養素を確保出来ません。
牡蠣や牛肉に含まれる亜鉛は、精子の形成や男性ホルモンの合成に必要な栄養素です。
レバーなどに含まれるビタミンAも、精巣にとってかかせない栄養素ですから、元気な精子を作り、活性化させるには食生活も重要なことがわかります。
肉、魚、卵などの動物性食品は、精子の質を高めてくれるわけです。
ポイント10 男性にも妊活サプリがあります
男性妊活に良い栄養素、といっても日常生活でパーフェクトに摂取するのは難しいです。
ですが、ケアをしないでいると、せっかく妊活を始めても無駄になってしまう可能性もあります。
男性の場合、妊活=精力剤というイメージをもたれるかもしれませんが、精力剤ではなく、男性妊活の為のサプリメントがあります。
薬や精力剤とは違って、サプリメントですから、不足した栄養素を効率よく摂取出来ますし、気負わず安心して飲めるものが多いです。
男性の妊活サプリには、精子の質を高めてくれるものや、元気のサポートをしてくれるものなど、色々なものがありますので、自分にあったサプリメントを探してみると良いでしょう。
夫の本音をアンケートで聞いてみました!!
妊活ナビでは、20代〜40代で奥さんが妊活をしている、もしくはしていた男性約300名にアンケートを取りました。
その結果、妊活中の男性のスタンスや、どんなことだったら協力してもらいやすいのか?などの本音が垣間見えました。
夫の本音がズバリ!独自アンケートでわかった妊活夫婦の関係は?
なお、このアンケートに関して、妊活ナビにコラムを投稿して頂いている専門家お二人に対談をして頂いた動画もあります。
こちらは、アンケート結果について、男性が何を考えているのか?を専門家の観点でお話いただいたものです。
是非、参考にしてみてください。