漢方は多嚢胞性卵巣症候群にも対応できる
多嚢胞性卵巣症候群は、不妊で悩む人の中では非常に多い症例の一つですね。
多嚢胞性卵巣症候群の場合、不妊治療クリニックでは、排卵誘発剤などで無理にでも排卵させるしか方法がありません。
その結果、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの重い副作用で悩んでいる人も多いです。
一方で漢方は、多嚢胞性卵巣症候群に対応するのに、体に負担がかかりません。
また、不妊治療との併用で、排卵や卵子の質を上げるために助けになるケースもあります。
さらに、OHSSなどの副作用を緩和することも可能です。
漢方は「合う人・合わない人」の差が激しく出る印象があります。
また、サプリメントに比べたら、決して安い金額ではありません。(管理人の印象では、ひと月2万前後かかっているイメージです。)
ただ、効果が出ている人もいますから、選択肢の一つとして知識はあった方が良いかもしれませんね。
多嚢胞性卵巣症候群とは?
まず、簡単に多嚢胞性卵巣症候群について説明したいと思います。
卵巣の中には、卵子の元になる「卵胞」がたくさんあります。
この卵胞は、生理周期の中で少しずつ育ち、その中でも最も大きな卵子が毎月1個、排卵されます。
ところが、小さな卵胞がたくさん育ってしまって、大きな卵胞が育ってくれない体質の人もいます。
こうなってしまうと、未成熟な卵胞は排卵されずに卵巣の中にたくさんたまってしまいます。
仮に排卵されたとしても、未成熟な卵子ですから卵子の質は悪く、受精率・妊娠率は高くありません。
また、卵子の質が悪いために妊娠したとしても、流産する可能性も大きくなってしまいます。
また、卵巣内に多くの卵胞が残ってしまうことで、卵巣の表面が固くなり、排卵されにくくなってしまいます。
これが、多嚢胞性卵巣症候群です。
多嚢胞性卵巣症候群の原因は、まだ解明されていません。
多嚢胞性卵巣症候群の詳細についてはコチラ
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漢方では多嚢胞性卵巣症候群の原因を「淤血」「痰湿」と考える
漢方では、多嚢胞性卵巣症候群の原因は、卵巣に「お血」と「痰湿」があるからと考えます。
「お血」というのは、血液が滞ってドロドロの状態になってしまっていることです。
ストレスや食生活の乱れ、冷えなどが原因でお血が生じると考えられています。
「痰湿」というのは、体内の水の巡りが滞って、体内に余分なものがたまったものを指します。
痰湿が出来る原因は、食べ過ぎや飲み過ぎなどによって余分な水分・老廃物が体内にたまることとされていて、脂肪・糖分・タンパク質の過剰摂取もその一つですね。
漢方で多嚢胞性卵巣症候群を治す方法
漢方では、多嚢胞性卵巣症候群を治すためには2つのことを軸とします。
一つは卵巣機能を向上させるために、補腎薬を使うことです。
漢方では生殖器官を「腎」と呼び、腎の力が落ちているから不妊になると考えます。
この「腎」の力を補うことを「補腎」と言って、漢方が不妊治療を行う時の最も大切な治療内容になります。
もう一つは、痰湿を取り除くことです。
痰湿を取り除くことで、卵巣の表面が柔らかくなり、排卵しやすくなるというのが漢方の考え方です。
漢方が不妊治療をサポートする
多嚢胞性卵巣症候群も重度になると、漢方だけでは対応できなくなるケースもあります。
その場合でも、漢方は不妊治療の手助けが出来ます。
多嚢胞性卵巣症候群になると、不妊治療では排卵誘発剤によって卵巣に刺激を与えて採卵をします。
この刺激が強いため、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用が出てしまうことがあるのです。
※卵巣過剰刺激症候群についてはコチラに詳しく書いてあります。
漢方は、卵巣過剰刺激症候群の副作用を予防することも出来るため、不妊治療と併用することも効果的です。
また、多嚢胞性卵巣症候群になる人は、血糖値のコントロールがうまく出来ていないケースがあります。
この場合、メトフォルミンという薬が処方されることがあって、この薬と漢方を併用することで治療効果が高くなるそうです。
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