卵子の質と卵巣機能を上げる漢方薬|十全大補湯、六味地黄丸
卵子の質や卵巣機能を上げるために、漢方はどうだろう?なんて思ったことはありませんか?
実は、漢方でも、こういった症状に対する処方薬というのはあるようですね。
卵巣機能が低下している場合に、漢方ではその症状を「腎虚」という言葉で捉えます。
卵子の質が悪いのも、これが原因と考えるのです。
この場合は、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、四物湯(しもつとう)などが処方される漢方薬。
処方して欲しい場合は、一度漢方薬局に相談に行くのがオススメです。
腎虚について
生殖機能が衰えることを「腎虚」と呼ぶ
漢方には、腎と言う言葉があります。腎は、外腎・内腎・副腎にわかれていて、
- 外腎・・・肝臓
- 内腎・・・生殖器
- 副腎・・・西洋医学での副腎と同じ
という分け方をしています。
生殖器は内腎にあたるので、卵巣機能などの生殖機能が衰えてくれば「腎」が衰えるという意味で、その症状を「腎虚」という名前で呼びます。
※ただし、子宮にダメージがある場合は、「血」が足りないと考えて「血虚」という呼び方をします。
そして、腎が衰えるから、卵子の質も低下すると考えます。
腎には「腎精」が宿ると考えられている
漢方では、腎には「腎精」が宿っていると考えます。
腎精は生まれつき両親から授かっているもので、性ホルモンの分泌や、排卵機能などをコントロールしています。
ところが、腎精は加齢・ストレスなどで消耗します。
すると、腎精が不足する=腎虚となって、卵巣機能・ホルモンバランスなどが乱れてくると考えられているのです。
腎虚に対処するための漢方薬は?
腎虚に対処するためには、六味地黄丸(ろくみじおうがん)・八味地黄丸(はちみじおうがん)・四物湯(しもつとう)などが用いられます。
生薬は「地黄(じおう)」というものが用いられています。地黄は、腎を補う「補腎」・血を補う「補血」の効果があります。
また、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)が用いられる場合もあります。十全大補湯は、地黄を含むので腎を補う効果がある他、貧血気味だったり、体力が低下している人に効果のある漢方薬です。
生薬は、地黄の他に、当帰(とうき)・人参(にんじん)・黄耆(おうぎ)・茯苓(ぶくりょう)などが使われています。
- 当帰・・・血を補う
- 人参・黄耆・・・気を補う
- 茯苓・・・水のまわりを良くして疲労を改善
卵子の質を上げるには、瘀血や冷えの改善も大切
なお漢方では、卵子の質を上げるには、「瘀血」と「冷え」の改善も重視します。
瘀血は血液がドロドロになって、血流が悪くなっている状態のこと。
血流が悪ければ、卵巣の働きも悪くなりますから、当然卵子の質に影響します。
瘀血や冷えを漢方で改善する方法については、以下の記事を読んでみてください。
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