妊娠検査薬はいつ使ったら良いの?
なぜ妊娠がわかるのだろう?
妊娠検査薬が妊娠判定できるのは、なぜなのでしょうか。
排卵して受精すると、その1週間後には、受精卵が子宮内膜に着床します。(体外受精の場合も、採卵後1週間で着床します。)そして、受精卵が着床すると、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンが急激に増加します。
このホルモンは、尿の中に排出されるようになるため、尿の中のhCGを測定することで、受精卵の着床が行われたかどうか?を確認することが出来ます。
妊娠検査薬は、この尿中のhCGを検出することで受精卵の着床を判定し、「妊娠の判定」としているわけです。
妊娠検査薬は、いつ使ったら良いのだろう?
妊娠検査薬の説明書を読むと、大体、「生理予定日の1週間後」の使用を推奨していると思います。
でも、どうして?もっと早く使ってはいけないの?って、思う人も多いと思います。そこで、妊娠検査薬がなぜ「生理予定日の1週間後」を指示しているのか?について説明していきたいと思います。
排卵から着床、妊娠判定までの流れは?
前回月経の最終開始日を基準に、妊娠の月齢はカウントされます。これを基準に排卵からのスケジュールを整理すると、以下のようになります。
- 妊娠0週 :最終月経開始日
- 妊娠2週 :排卵(体外受精の場合は採卵)
- 妊娠3週 :着床
- 妊娠4週 :市販の妊娠判定薬で検査が可能になる(生理予定日)
- 妊娠5週 :市販の妊娠判定薬の使用が推奨されている
尿中のhCGの増加のタイミングがポイント
排卵されるのが妊娠2週になるケースが多いので、これを基準にすると、その1週間後、つまり妊娠3週に受精卵が着床します。体外受精であっても、採卵後1週間で着床するので、やはり妊娠3週での着床は同じです。このタイミングで、体内のhCGが増加し始めます。
そして、妊娠4週ごろになると、hCGが尿に出てくるのですが、最初はhCGの量が少ないため、一般的に
妊娠検査薬は妊娠5週目、つまり「次の生理予定日の1週間後」から使う
ことが推奨されているわけです。
妊娠検査薬の妊娠判定は、医師の妊娠判定と違う?
ここが悩ましいところなのですが・・・妊娠検査薬での妊娠判定と、産婦人科などの医師が行う妊娠判定の基準はちょっと違うようです。
医師はどこで妊娠判定する?
市販の妊娠検査薬は、尿中のhCG値だけで妊娠判定をしているのですが、実は、この段階での妊娠は継続しないケースも多んです。そのため、医師はこれだけで妊娠判定はしません。
妊娠5~6週に、超音波検査で胎嚢(胎児の部屋)を確認した段階、もしくは6~7週で胎児の心拍を確認してからが医師の「妊娠診断」になるケースがほとんどのようです。
ちなみに、不妊治療の場合、人工授精の2週間後、体外受精では採卵後2週間が、妊娠判定のための最初の通院日になっているクリニックが多いですね。
- 妊娠0週 :最終月経開始日
- 妊娠2週 :排卵(体外受精の場合は採卵)
- 妊娠3週 :着床
- 妊娠4週 :市販の妊娠判定薬で検査が可能になる(生理予定日)
- 妊娠5週 :市販の妊娠判定薬の使用が推奨
- 妊娠5~6週 :胎嚢が確認できる ※胎嚢・・・胎児が入っている袋
- 妊娠6~7週 :胎児の心拍が確認できる
- 妊娠8週 :妊娠状態が安定
妊娠検査薬はあくまでも補助的に使用すべき
ここまで書いたように、妊娠が確定するのは、やはり医師の判断を待たないとなりません。市販の妊娠検査薬は、あくまでも尿中のhCGの値が上昇したことを示すだけです。
ただ、妊娠検査薬がある以上、少しでも早く、妊娠を知りたい・・・というのが人情というモノ。そのため、指示されている時期よりも早い段階で妊娠検査薬を使ってしまう、いわゆる「フライング」をしてしまう人も多いと思います。
次の記事では、このフライングについて書いていきます。