FT（卵管形成術）で自然妊娠の可能性も？
原因不明の不妊であれば、卵管障害を疑ってみる？
妊活や不妊治療の雑誌のQ&Aコーナーを見ていると、「不妊だけれども原因がわからない」という趣旨の質問に対して、医師が「卵管に障害があるかもしれない」と答えているのを見ることがあります。
実は、卵管障害っていうのは、検査でみつけるのが難しいようなんです。そのため、検査をした上で「原因不明」なのであれば、卵管障害の可能性がある・・・ということのようですね。
FTは卵管障害を克服するための手術
卵管障害を克服する方法の一つがFT（卵管鏡下卵管形成術）というものです。
FTでは、膣から子宮を通って卵管まで、とても細いカテーテルを通します。カテーテルの先端には内視鏡がついていて、この内視鏡で卵管内の状態を確認しながら、卵管を押し広げて、卵管の通過性を確保していきます。
FTを行うと、自然妊娠する確率が30％？
FTで通過性が回復すると、約30％のカップルが自然妊娠しているというデータもあります。そのため、体外受精に入る前に一度は試してみる価値があるかもしれません。
ただし、FTで通過性が回復しても、卵管が再度、癒着してしまうこともあるようです。そのためFTを行った後は、すぐに、積極的に夫婦生活を持つようにした方が良いようです。
FTのメリットは？
- 手術が簡単で体への負担が少ない
- 保険が適用される
という点ですね。
FTは手術が簡単
まず、手術が簡単というのは大きなメリット。お腹を切る必要もないので、入院する必要はありません。日帰りで出来ます。簡単な麻酔をするので、痛みもないようですね。
健康保険と高額療養費が適用される
また、FTは健康保険が適用になります。
FTは治療費が高額なので、両側の卵管を対象に手術すると、既定の3割負担でも30万前後します。ところが、健康保険には「高額療養費」という制度があって、それを利用すると、両方の卵管にFTを行っても、2万5千円前後～14万くらいの負担で済みます。
「高額療養費」という制度は、所得額に応じて、医療負担の限度額を定めているもので、その限度額を超える支払いが生じた時には、超過分の金額が後で払い戻してもらえるという制度です。上で、「2万5千円前後～14万くらい」と書いたのは、所得額に応じて医療費の負担限度額が変わっているためです。
注意点としては、申請してから実際に振り込まれるまでに数か月間かかってしまうと言うこと。一時的にお金を払わないとならない場合もあります。この場合、健康保険組合によっては、貸付制度もあるようなので、是非問い合わせてみて下さい。
