天然葉酸と合成葉酸、どっちを選ぶ?
葉酸には「天然葉酸」と呼ばれるものと「合成葉酸」と呼ばれるものがあります。
これ、どちらを選んだら良いのか・・・って迷いませんか?
この記事では、天然葉酸と合成葉酸の違い、さらにどちらを選んだら良いのか?ということについて書いていきたいと思います。
「天然葉酸」と「合成葉酸」の違いは?
食品に含まれている「天然葉酸」について
「天然葉酸」とは食品に含まれている葉酸のことで、英語で”dietary folate”または”folate”と表記されます。
この食品に含まれている葉酸は、ほとんどが「ポリグルタミン酸型」と呼ばれるタイプの葉酸です。
実は、「ポリグルタミン酸型」の葉酸はこのままの形では体内に吸収されません。
小腸で「モノグルタミン酸」と言う形に変化してから、体内に吸収されるのです。
この過程で、食べた食品に含まれていた葉酸の多くが、体内に吸収されず排泄されてしまいます。
そのため、食品に含まれている葉酸である「天然葉酸」は、あまり効率的に利用することが出来ません。
一般的な葉酸サプリに含まれている合成葉酸について
一方で、「合成葉酸」と呼ばれている葉酸があります。
「合成」という言葉が印象が悪いかもしれませんが、これは危ないものではありません。
先ほど書いたように、食品に含まれる天然葉酸は「モノグルタミン酸」に変化してから体内に吸収されます。
それなら、最初から体内に吸収される形になっている「モノグルタミン酸型葉酸(英語でfolic acid)」を摂れば、食品から天然葉酸を摂るよりも吸収率が高くなりますよね。
でも、モノグルタミン酸型葉酸は天然食材には存在しないので、人工的に作り出さないとなりません。
それで、一般的な葉酸サプリには、人工的に作り出した「モノグルタミン酸型葉酸」が配合され、「合成葉酸」と呼ばれているわけです。
天然由来の葉酸を使ったサプリメントもある
一般的なサプリメントは、モノグルタミン酸型葉酸が含まれています。
一方で、「天然葉酸」を含んでいる・・・正確に言うと「天然由来の葉酸」を使ったサプリメントもあります。
ベルタ葉酸サプリやオーガニックレーベルの葉酸などがそれにあたります。
これらの葉酸サプリは、植物に含まれる葉酸を抽出して加工することで作られています。
作る過程で加工されているので、正確に言うと「天然」ではなくて「天然由来」の葉酸サプリということになります。
天然葉酸と合成葉酸、どちらを飲めば良いのだろう?
厚生労働省から摂取を推奨されているのは「合成葉酸」
厚生労働省は、胎児の奇形防止のため、妊娠1ヵ月前~妊娠3か月の女性に対して、1日あたり葉酸400㎍の摂取を、強く推奨しています。
では、厚生労働省は、天然葉酸と合成葉酸のどちらを摂るように推奨しているのでしょうか?
実は、厚生労働省は「合成葉酸」、つまりモノグルタミン酸型葉酸の摂取を推奨しているのです。
その理由は、奇形防止のために葉酸が有効だという科学的根拠が、モノグルタミン酸型葉酸で示されているからです。
イメージとしては、「天然葉酸」の方が体に良いような気がしてしまいます。
でも、食品に含まれる「天然葉酸」は体内に吸収された後の利用率が安定しておらず、胎児の奇形防止に効果があるか?という点については、十分な科学的根拠が示されていないのだそうです。
そのため、妊活中もしくは妊娠中の女性が、胎児の奇形防止のために飲むのであれば、合成葉酸がお勧めになります。
ベジママやAFCの葉酸サプリは、合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)を使った葉酸サプリになります。
天然素材にこだわるなら、天然由来の葉酸サプリも
厚生労働省は合成葉酸の方を推奨しています。
ただ、天然由来の葉酸について「効果が無い」と言っているわけでもありません。
ましてや、危険なものでもありません。
なので、天然成分や「なるべく自然に近い形で」という部分にこだわりがあるなら、天然由来の葉酸サプリも良いかもしれないですね。
何よりも、自分が納得するように妊活を行うことがとても大切だと思います。
天然葉酸なら、他成分も含めて全て天然成分のパティ葉酸がおすすめです。
合成葉酸は取り過ぎに注意!
厚生労働省では、合成葉酸の摂取量を、1日当たり1300~1400μgと定めています。
天然葉酸と違い合成葉酸は吸収率が高いため、その分、取り過ぎには十分に注意しないとならないようですね。
独立法人「国立健康・栄養研究所」によれば、葉酸の過剰摂取をした時の危険性として
- 発熱・蕁麻疹・紅斑・かゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがある
- ビタミンB12欠乏症の診断を困難にする
- 亜鉛と複合体を形成して小腸からの亜鉛の吸収を抑制する可能性がある
の3点をあげています。
ただ、一般的な葉酸サプリ1日分に含まれる葉酸の量は400㎍です。
葉酸サプリのパッケージなどに書いてある飲み方を守れば、気にする必要はありません。
参照元:国立健康・栄養研究所
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