受精卵(胚)のグレードが低くても妊娠できる?
体外受精や顕微受精を行った後、病院に電話して分割胚の状態を聞く時って、ドキドキします。そして胚移植・・・となった時に、心配になったり悩んだりするのが、分割胚のグレード。5段階で表したグレードを医師から伝えられますが、気になるのは「その胚で妊娠できる?」ってことですよね。
でも、結論から言うと、「グレードが上だからと妊娠しやすい」というわけではないようですね。
分割胚のグレードはどうやって決まるのか?
まずグレードの表し方は、
- 初期胚(8分割まで)
- 胚盤胞
の2つでは異なります。
初期胚のグレードの表し方
初期胚のグレードは、グレード1~5で表し、一番良いものがグレード1、一番悪いものがグレード5になります。
このグレードは、
- 割球の均等さ(※割球とは、受精卵が分裂してできた1つ分の細胞)
- フラグメントの割合(フラグメントとは、割球の周りの小さな泡状のモノ)
によってきまります。
割球が均等で、フラグメントがほぼ無ければグレード1、割球がほとんど見えずフラグメントが多いとグレード5、あとはその間をとって、グレード2~4を決めることになります。
胚盤胞のグレードはどうやって決まるのか?
胚盤胞のグレードは、「5AA」「3BA」のように3つの英数字によって表わされます。
この3つの英数字は、
- 発育段階を示す数字
- 内細胞塊の状態を示すアルファベット
- 栄養外杯葉の状態を示すアルファベット
を表しています。
グレードと妊娠確率には明確な関係がない
分割胚のグレードは見た目で決まる
重要なのは、初期胚にしても胚盤胞にしても、「グレードは見た目で決まっている」ということです。受精卵の染色体だとか、質とか、そういったものは見た目からだけでは何もわかりません。
グレードの決め方は病院によって変わる?
グレードは見た目で決まります。そのため、そこには、ハッキリとした客観的な基準があるとは言えないようですね。どこまでがグレード2で、どこからがグレード3なのか?といったことは、全て、医師の判断で決めているからです。
また、どのグレードまでを移植するのか?ということも、医師によって、患者によって変わっているようです。グレード3までを使用するという基準が多いものの、グレードと妊娠確率の関係性が明確になっていないこともあり、全ての病院でその基準が適用されているわけではありません。
グレードによって妊娠確率が決まるわけではない
胚移植をする時に、心情としては「少しでもグレードの高い胚を移植したい」って思ってしまいますよね。
でも、実は、グレードによって妊娠確率が決まるわけではないのです。
確かにグレード1と5を比べれば、確かにグレード1の方が着床、妊娠しやすいというのはあるようですが、グレード2と3で、妊娠の確率が変わるか?って言うと、そこは全くわからないのだそうです。
グレードの低い胚で妊娠しても、子供に染色体異常が出るわけではない
「グレードが低い」と言われると、それが生まれてくる子供に悪い影響を及ぼすのでは・・・と心配になってしまいます。
でも、実は、分割胚のグレードは生まれてくる子供とは何の関係もありません。染色体異常を心配する人もいるようですが、分割胚のグレードが低いから染色体異常になるといったことはないようです。
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