「子どもができない!」夫婦で悩んでいる方たちへ
【著者 今井さいこ】
LIB Laboratory 代表
NPOハピマムプロジェクト 理事
高校生の時「環境による心への影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、2009年より女性向けの個人向け心理カウンセリングを開始。自身の妊活経験で「妊活中も、妊活以外の女性としての楽しみを充実させたい」と感じたことから、2013年より妊活女性・ご夫婦向け心理カウンセリングを開始。現在、妊活中のメンタルケアだけでなく、産後女性のメンタルケアも行なっている。
「子どもができない」言葉の裏に潜む心理
妊活をしていてもなかなか授からないとき、よく「なかなか子どもができない」という言葉を使うことがありますよね。
実際、「子どもができない」という検索ワードはすごく多いです。
「子どもができない」と何気なく使うこの言葉ですが、その裏には、
- 子どもはつくるもの
- 子どもは簡単にできるもの
という心理が見え隠れしています。
ここに、1周期(生理が始まってから次の生理が始まるまでを1周期とします)での自然妊娠率を記してみます。
- 25歳 ー 25~30%
- 30歳 ー 25~30%
- 35歳 ー 18%
- 40歳 ー 5%
- 45歳 ー 1%
こうして数字で見てみると、決して高くないことがわかりますよね。
妊娠というのは奇跡なのです。
なので、もし「子どもはつくるもの」「子どもは簡単にできるもの」という気持ちを持っていたのであれば、
「子どもは授かるもの」とリフレーミング(考え方の枠組みを変えること)してみてはいかがでしょうか。
「子どもをなかなか授からない」という気持ちの続きを考える
「子どもをなかなか授からない」とリフレーミングしましたが、そのことについてご自身ではどのように感じていますか。
また、パートナーはどのように感じているでしょうか。
- 自然に妊娠するのを待ちたい
- 妊娠の確率を高めるための方法を知りたい
- 将来的には、必ず子どもを授かりたいので、不妊治療も含めた積極的な妊活をしたい
- 「産み、育てる」ことと同時に「育てる」ということにも焦点を当て、里親制度や養子縁組についても考えたい
2人の気持ちをまずは確認し、これからどうしたら良いかという妊活のプランニングを考えていきましょう。
妊活の要所要所で、自分の気持ちとパートナーの気持ちを確認することはとても大切です。
人の考え方は時とともに変化します。
妊活のスタート時には考えていなかったことも、妊活を進める中で考えるようになることがあります。
夫婦二人三脚で妊活をするためにも、お互いの気持ちや価値観の共有は必ずするようにしましょう。
そして、お互いがお互いの気持ちや価値観を理解した上で2人の結論を出して、納得した上で妊活を進めるようにしていきましょう。
夫婦愛の先に子どもがいる生活があることを忘れないで
ごくごくたまにですが、
「夫とは離婚したいけど子どもは欲しいので、嫌だけど我慢して妊娠したい。どういう気持ちで夫に接したらよいですか」
というお悩みを持った方がカウンセリングにいらっしゃることがあります。
「子どもを授かる」ということは、妊娠すること、出産することだけではありません。
「一生親でいる」という覚悟を持って生き続けることです。
夫婦は離婚をすれば他人になりますが、親という立場は一生変わることがありません。
そのことを心から理解した上で、自分にとって、父となる夫にとって、そしてこれから授かる子どもにとって何が一番良いのか、ということを考えて欲しいと思います。
当然ですが、妊娠は1人ではできません。
夫婦愛の先に子どもを授かり、子どもがいる生活が存在するのです。
先ほどの相談例は極端な例ですが、「夫が妊活に協力してくれない」「妻が妊活、妊活、と怖い」など夫婦間でのすれ違いを感じているご夫婦は、まずは夫婦2人の関係性を見つめなおすこと、立て直すことから妊活が始まることを忘れないでくださいね。
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