人工授精の進め方|不妊治療の第二のステップ
タイミング法をやってみて上手くいかなかった場合、人工授精にステップアップします。
人工授精は、排卵日に通院し、男性の精液を採精して、女性の膣からカテーテルで注入して受精するというものです。
では、具体的にどういったことをするのか、見ていきましょう。
人工授精の費用と妊娠率について
人工授精は保険が適用されず、自由診療となるので、1回で1万~5万円かかります。
5~6回やっても妊娠しない場合は、次のステップの体外受精を勧められることが多いです。
(それ以上トライしても妊娠する確率は無いため)
ただし、人工授精の妊娠率は、5~8%と言われていて、あまり妊娠率が高いとは言えません。
そのため、女性が35歳以上の場合は、この段階をスキップして、次の体外受精にジャンプアップすることを勧められる場合が多いようですね。
さて、人工授精のやり方は、次のステップを踏んでいきます。
排卵日を特定するための通院
まずは、排卵日を特定しないとなりませんね。
そのために、排卵日前に超音波検査や血液検査をします。
超音波検査で、卵胞の大きさや子宮内膜の厚さを測定したり、血液検査や尿検査で、ホルモン値の測定をしたりします。
卵子の発育を良くするために、排卵誘発剤を使用する場合もあります。
排卵日に通院
さて、排卵日に通院をして人工授精を行うのですが、手順は大体以下の通りです。
まず、男性から精子を採精します。
基本的には病院内で、マスターベーションによって、渡された容器に精液を採ります。
院内でマスターベーションってどうするの?と気になる男性は多いと思いますが、「トイレで採ってきてください(汗)」と言われる場合と、マスターベーション用の個室が用意されてる場合があります。
不妊治療専門医では、大概はこういった個室が用意されていて、中には、エロ本やアダルトビデオも完備しています。
また、事前に相談していれば、自宅での採精が認められるケースもあるので、詳しくは医師に聞いてみて下さい。
ただしその場合は、採精後1時間以内に病院に持参するように(ここは病院によって若干異なるようですが・・・)言われますから、病院と自宅が近くないと厳しいですね。
さて、実際に容器に精液を採ったら、それを病院に渡します。
病院の方では、精液を処理液と一緒に遠心分離器にかけて、運動性の高い精子を濃縮して、さらに雑菌を取り除くわけです。
この処理には、だいたい1~2時間かかるようですね。
こうして「元気の良い精子」を抽出します。
精液の処理が終わったら、女性は内診台に上がって、精子の注入をしてもらいます。
カテーテルという柔らかい管を膣から入れて、子宮の奥に注入するのですが、だいたい1分ほどで終わります。
麻酔などは必要なく、痛みもほとんどありません。(少し痛かったという話もあるので、個人差があるかもしれません)
人工授精のメリット
普通にセックスをした場合、精子は15cmほどの距離を泳いで卵管まで到達しないといけません。
ですが、人工授精の場合は、このようにカテーテルで子宮の奥に精子を直接注入するため、その距離が半分くらいになります。
つまり、自然妊娠の時に比べ、精子が卵管までたどり着く確率が上がるわけですね。
そのため、精子の運動率が悪い場合(精子無力症)や、精子の数がそもそも少ない場合(乏精子症)に適した治療方法になります。
また、性交障害や射精障害があって、男性が女性の膣内で射精できない場合でも妊娠できることも、大きなメリットですね。