抗精子抗体|女性の体内に入ってくる精子が撃退される?

抗精子抗体・・・ちょっと難しい言葉なんですが、抗=「抵抗する」という意味で、女性の体内に、精子に抵抗する抗体が出来てしまうということです。精子に対する抗体が出来てしまうため、精子が卵子にたどり着くことが難しく、自然妊娠が難しくなってしまいます。

精子に対する免疫機能が働く?

ウィルスや細菌が人間の体内に入ってくると、人体は「免疫」を作って、同じウィルスや細菌が再び体内に入ってきたら、それを撃退できるようになりますよね。これを免疫機能と言いますが・・・なぜか、女性の体が、精子に対する「免疫」を作ってしまう場合があるんです。

この時に、体内に入ってきた精子を攻撃するものを「抗精子抗体」と呼ぶのですが、これが体内にできることで、膣内で射精された精液に含まれる精子は卵子にたどり着く前に撃退されてしまうのです。

精子抗体は、精子同士をくっつてけてしまったり、精子を集めて大きな精子の塊を作って撃退したり、精子の尻尾にくっついてその運動を止めてしまったりと、色々なタイプがあるようなのですが、いずれにしても精子の動きを止めてしまいます。

抗精子抗体は、不妊症の女性の数%にみつかるようですが、原因が不明な上、自覚症状がないので、検査しない限りはわかりません。

抗精子抗体はどうやって検査するの?

抗精子抗体について調べるのは、フーナーテストをした後が多いようですね。

フーナーテストは、セックスした後に通院し、女性の頸管粘液を採取して、実際に女性の体内で射精された精液の動きを調べるものです。このフーナーテストの結果が悪い、つまり精子の動きが悪いのに、精液検査では問題ない・・・となると、抗精子抗体を疑うという流れのようです。

調べる時には血液検査を行います。

男性に抗精子抗体がある場合も!

男性に抗精子抗体が出来てしまうこともあります。男性の性器の構造上、血液と精子が触れることはないのですが、炎症などにより精子が血液と触れたタイミングで、男性の体内に抗精子抗体ができてしまうことがあります。

この場合は、精巣で精子は作られるのですが、「精子が作られても動きが悪くなる」ということになってしまいます。

抗精子抗体が見つかったらどうするのか?

抗精子抗体に対しては、現段階では、有効な治療方法はないようですね。そのため、抗精子抗体が見つかったら、基本的には、体外受精や顕微授精に進む場合が多いです。

ただし、抗精子抗体の強さは変化するらしく、何度か検査した方が良い場合もあるようですし、抗体値が下がっている時ならば自然妊娠するという医師の見解もありますね。また、抗体の強さによっては、体外受精でなく、人工授精によって妊娠できる場合もあるようです。

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