ジャンプアップ・ステップダウン・セカンドオピニオンの使い方
不妊治療は、一般的に
タイミング法⇒人工授精⇒体外受精
の順で進んでいきます。
基本的に、進み方は医師によって主導されていきます。
ですが、ステップアップするかどうか?の最終選択は自分でしないとならないです。
また、タイミング法から一気に体外受精に進む「ジャンプアップ」、少し治療のペースを緩める「ステップダウン」、そして主治医の方針に疑問を持った時には「セカンドオピニオン」を上手に使い分けることも、不妊治療では大切です。
ステップアップかジャンプアップか?
通常はタイミング法を5~6回、そこで妊娠しなければ人工授精を5~6回、それでも妊娠しなければ体外受精へと進めていきます。
タイミング法から人工授精、人工授精から体外受精への1つずつ治療段階を進めていくことを「ステップアップ」と呼んでいます。
通常であれば、順々にステップアップしていきますね。
ですが、妻の年齢が35歳を過ぎている場合は変わってきます。
なぜなら、年齢とともに卵子・卵巣が老化していき、妊娠率はどうしても落ちてしまうからです。
このペースで治療をしていくと、妊娠のチャンスを逃してしまうこともありえます。
それなら、最も妊娠確率の高い「体外受精」になるべく早く進んだ方が合理的ですよね。
このような考え方で、タイミング法を数回やったのちに、人工授精には進まずに、すぐに体外受精に進むことを「ジャンプアップ」と言います。
妊娠のためには、ジャンプアップが万能なのか?
では、このジャンプアップは万能なのでしょうか?
実は、ここには難しい問題がいくつかあります。
まずは、経済的な問題
タイミング法にせよ、人工授精にせよ、どんなに排卵誘発剤などを使ってもせいぜい費用は数万。
ところが、体外受精は安くても20万、高ければ100万近くかかるケースもあります。
普通の経済力の家庭では、そう、何回も出来る治療ではありません。
もちろん、助成金を使うことは出来ますが、それでも全額助成してもらえるわけではないのです。
次に問題なのが、妻の体への負担
体外受精では、排卵誘発剤、排卵抑制剤、排卵促進剤と様々な薬物投与をして卵巣を刺激します。
これは、妻の体にものすごい負担をかけることになります。
痛みもあります。
しかも、けっして快適ではない治療を、時期によっては毎日通院して受けないとなりません。
最後にストレスの問題
上に書いた「経済的な問題」「妻の体へ負担」があれば、これだけでも十分なストレスになります。
それに「どうしても妊娠したい」という想いで、自分を苦しめてしまうケースが多いです。
「35歳、40歳での妊娠|妊活ストレスは危険です」でも書きましたが、不妊治療で、ストレスは大敵。
ストレスが卵子や精子など、体全体の酸化・老化を進めてしまい、かえって妊娠から遠ざかってしまうことになる可能性があります。
不妊治療が辛い時にはステップダウンも
不妊治療が辛い時には、一旦、治療のペースを緩めたり、タイミング法に戻したり、場合によってはお休みするなどの方法をとるのも良いのです。
これを「ステップダウン」と言います。
実は、ステップダウンは妊娠に効果的な部分があって「不妊治療をしていた夫婦が、不妊治療をやめた途端に妊娠する」という話はよくあります。
ただ、これは不思議なことではなくて、ストレスがなくなってリラックスすれば、体が元気になって、卵巣・子宮・卵子・精子・・・すべての状況が良くなるというのは至極当然なことです。
また、不妊治療を通して、夫婦二人で生きていくのもいいね・・・って夫婦の関係を確認できたことで、絆が強まれば、それも無関係ではないと思います。
不妊治療が辛い時には、そのまま続けていても良い結果に結びつかないこともあります。
辛くて辛くて、どうにもならない時は、ステップダウンも選択肢に入れてみて下さい。
主治医の方針に納得できない場合は、セカンドオピニオンを活用
不妊治療は、本当に大変です。
気持ちの面で追い詰められることもあるので、そんな中で、どうしても主治医の方針に納得できない場合も出てくるかもしれません。
でも、短い診療時間の中で主治医に「これは違うのでは?」って切り出すのが中々難しかったり、質問してもかえって怒られたりすると、もう誰にも相談できなくなって途方に暮れてしまいます。
そういったケースで利用したいのが「セカンドオピニオン」です。
他の病院に行って、医師に現状を伝え、「今回のケースならどのようにすべきか?」という意見を聞くことです。
当事者ではない専門家の意見を聞けるので、気持ちが追い詰められていたりしても、冷静な判断をするためには大きな武器になるはずです。
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