生理、排卵のしくみとホルモンの名前|妊活のための知識

まずは、妊活の基礎として、排卵と生理のしくみを正確に知っておきましょう。

この部分が理解できていないと、妊活も不妊治療も、「何をすべきか」を理解できずに進めてしまうことになりかねません。
そうなると妊娠したいと思って始めた妊活が、非常に遠回りすることになってしまいます。

この記事では、まず卵子の元になる原始卵胞について説明し、その後、
卵胞が育つ⇒排卵する⇒生理になる
の順にホルモンの働きや、排卵の仕組みについて説明していきます。

卵子の元は卵巣に入っている

女性は1ヶ月に1回のペースで妊娠のために卵子を放出(これを排卵といいます)し、妊娠しなかった際には必要のなくなったものを体の外に出します。
これが生理(正しくは月経)です。
生理は、10〜15歳で初潮をむかえ、大体50歳ごろまで続くとされています。

ここでは、女性の生涯で卵子の数がどのように変化していくのかをみていきます。

歳をとるごとに卵子の数は減っていく

女性の体の中には「卵巣」という器官が左右に一対あります。

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この卵巣の中には卵子の元となる「原始卵胞」が蓄えられています。

原始卵胞は、生まれた時点では、約200万個もあるんです。
ところが、その数はどんどん減っていき、初潮を迎えるころには約40万個にまで減ってしまいます。

卵子の数はどんなふうに減っていくの?

では、初潮をむかえ、月経が始まると原始卵胞はどうなっていくのでしょうか?

  1. 月経(初潮)⇒原始卵胞の成長
    • 原始卵胞が細胞分裂し、卵胞へ成長
    • 約30個/日、約1000個/月ずつ減っていく
  2. 主席卵胞の排出
    • 最も大きく育った卵胞(主席卵胞)から「卵子」が排出される=「排卵」
    • 他の排卵されなかった卵胞は、自然消滅する
  3. 閉経
    • 原始卵胞が残り1000個くらいになると、閉経してしまう
    • 閉経の年齢は、大体50歳前後とされている

このように、原始卵胞は数に限りがあり、また実際の年齢と同様に歳をとっていくんです。





生理の流れとホルモンの働き

では次に、生理がどのようなしくみと流れで起こっているのかをみていきましょう。
女性の体では、周期ごとに以下のようなことが繰り返されているんですよ。

卵巣で卵胞が育つ

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卵胞の成長には、ホルモンが重要な働きをしています。

  1. 視床下部=(GnRH)⇒脳下垂体

    まず、脳の視床下部から脳下垂体に向かって指令が出ます。
    この視床下部はホルモンの分泌をつかさどる、まさに司令塔のようなところ。

    ここから、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)
    が分泌されます。

  2. 脳下垂体=(FSH)⇒卵巣

    指令を受けた脳下垂体は、卵巣刺激ホルモン(FSH)
    を分泌します。

  3. 卵巣で卵胞の成長スタート

    このホルモンからの指令により、卵巣は卵胞を育て始めるのです。

排卵する

卵胞が育ってくると、卵巣はエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し始めます。
エストロゲンは女性ホルモンとも呼ばれていて、女性らしい体や心を作っていくために体の各器官で働いているものなんですが、子宮内膜を厚くしていく働きもします。

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子宮内膜と言うのは子宮内部の表面を覆っている膜です。
受精卵は、この子宮内膜に「着床」して育っていくのですが、卵巣は卵胞を育てながら、エストロゲンを出して子宮内膜を厚くしていくのです。
受精卵のためにフカフカのベッドを用意しているイメージですね。


  1. 卵巣=(エストロゲン)⇒視床下部

    このエストロゲンの量は、卵胞が育つとともにどんどん分泌量が増えてきて、それによって脳の視床下部は、「あ~、卵胞が育ってきたな」っていう情報をキャッチします。

  2. 視床下部=(GnRH)⇒脳下垂体

    すると再び性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌されます。

  3. 脳下垂体=(黄体化ホルモン)⇒卵巣

    次に脳下垂体が、黄体化ホルモン(LH)を分泌します。
    排卵直前には、このLHが大量に分泌されるのですが、この現象を「LHサージ」といい、排卵日を予測する目安になります。

  4. 卵巣⇒排卵へ

    この黄体化ホルモンは卵巣に対して「排卵しなさい」という指示をするホルモンです。
    これによって、卵巣はいよいよ排卵するわけです。

  5. 排卵の完了

    卵巣内の卵胞から卵子が放出されると、これを卵管の先端にある「卵管采」がキャッチして、排卵が完了します。


なお、自然妊娠を目指してタイミングを取る場合に、市販されている排卵日検査薬を使うことがあると思います。
基礎体温と合わせて使用することでより、排卵日をしっかり予測できますので、上手に利用して下さいね。

着床が無いと生理になる

排卵した卵胞は、その後「黄体」になります。するとこの黄体から
黄体ホルモン(プロゲステロン)
というホルモンが分泌されます。

これによって子宮内部の「子宮内膜」がどんどん厚くなり、受精卵がいつ着床しても良いように準備を始めます。

一方、卵管采によってキャッチされた卵子は、卵管の中から徐々に子宮に向かって進んでいきます。
卵管内で、精子と出会って受精できれば、その後さらに卵管を通って子宮に到達し、子宮内膜の中に潜り込んで着床すれば「妊娠」ということになります。

一方、卵管内で卵子が受精できなかった場合は、子宮内膜は必要なくなるため剥がれ落ちます。これが月経です。

月経になるとエストロゲンの分泌は急激に減少し、脳の視床下部は「あ~月経になったな」という情報をキャッチします。

するとまた、最初に戻って、視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌し始めて、脳下垂体が卵巣刺激ホルモンを分泌、卵巣は卵胞を育て始める・・・というのが繰り返されていきます。

生理と排卵のしくみとホルモンの働きをまとめると・・・

最後に、生理と排卵のしくみをもう一度みてみましょう。

    【月経期〜卵胞期】
  1. FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌

    脳下垂体からホルモンが分泌され、卵巣内の原始卵胞が成長を始める

  2. 主席卵胞の成長

    最も成長した卵胞だけが残り、他はすべて自然消滅する


  3. 【排卵期】

  4. エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌

    卵巣からのホルモン情報を受け、子宮内膜が厚くなっていく

  5. LH(黄体化ホルモン)の分泌

    脳下垂体から排卵を促すホルモンが出される

  6. 排卵

    「LHサージ」が起こり、卵胞は卵子を放出する


  7. 【黄体期】

  8. プロゲステロン(黄体ホルモン)

    受精卵の着床に備えて、子宮内膜を厚くする

  9. エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減る

    子宮内膜がはがれて生理がはじまる

 

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