男性の不妊治療は「愛」がポイント
乙姫と彦星も逢瀬を重ねる時期となりました。
会えない時間が愛を育むという明言を残されたスポーツ選手もおりますが、やはり普段から愛を育まれた方が妊活には良い結果を残します。
ですが、妊活を始める前に愛を持って行って欲しいことがあります。
それは男性側の不妊検査です。
【専門家紹介】
山田 光敏 ヤマダ ミツトシ
鍼灸マッサージ師
東京身体療法研究所 総院長
生後1か月の赤ちゃんから104歳の高齢者までを受診する。
不妊施術を中心とし、ダウン症や脳性麻痺と言った障碍を持った赤ちゃんの発育援助、女性に対しては美容から症状緩和高齢の方の痛み対策など、幅広く治療する。
不妊施術治療院としては都内最古の歴史を持つ。
HP http://www.tokyobody.jp/cgi-bin/new/index.cgi
妊活を始める際に男女同じ時期に検査するカップルは少ない
妊活を始める際に産婦人科で検査を受けるということは多くの方が知るようになってきました。
ところが女性側は妊活を始めると比較的早めに検査を受けているのですが、男性に関しては女性よりも遅いことが少なくありません。
卵子の質の低下はメディアでも良く取り上げていますが、精子の質の低下についてはあまり論じられることはありません。
実は精子の質の低下は女性と同様に35歳以降見られることも分かっています。
他にも精子を生み出せない無精子症の方は100人に1人、精子を作る能力の低い状態である乏精子症だともっと多くの方に見られ、年齢と共にこういった男性増えていきます。
自然妊娠が厳しい精子の状態でいくら夫婦行為を持ってもなかなか妊娠には至らず、時間だけが過ぎて行ってしまいます。
そうなる前に精子検査を男性に受けて欲しいと思うのですが、いざ、検査を受けて欲しいと男性に話すと、男性は受けたがらない態度を示す人が少なくないのですね。
それはどうしてなのでしょうか。
精子の質を男性性と同一視をする人が少なくありません
男性性や女性性は子を育む能力と深く関係します。
男性性は一般に男らしさとなりますが、妊活でいう女性性に関しては多くの要素から成り立つので一つの結果で女性性が問題になることはあまりありません。
ところが男性性に関しては精子の質だけで決まります。
例えば、卵巣予備能検査と言われる抗ミューラー管ホルモンという値が悪く、医師から「卵子のストックが少ないですね」と言われたとしても、女性はそれだけで自分の女性性が失われたとはさほど感じません。
ですが、男性の場合「あなたの精子の質では自然妊娠が難しい」と言われた時点で、男性性の喪失感を覚えてしまうのです。
不妊カップルのうち男性側に原因がある割合は小さくありません。
それについて男性側は理解している人は少なくありません。
ですから怖いのです。
現実として、「あなたの精子に問題がある」と言われる確率は低くない。
その時、男性性の喪失とどうやって向き合うかに恐怖を感じるのです。
男性性は精子の質だけで成り立つものではありません
女性側が男性の精子の質に関して言う事はあまり良い結果とはなりません。
男性は目の前の未知の恐怖(=精子の質の悪化)から逃げたくなるものです。
精子の質が悪くても生活そのものにはあまり影響を与えません。
それならば、女性側は男性が自分の精子の質と向き合うために、「男性性は精子の質だけで成り立つものではない」ことを普段から知ってもらうようにして欲しいのです。
男らしさを感じ取ってもらうには、家庭生活においてその男性がどれだけ有用であるかを知ってもらう。
これが一番重要です。
そのためには普段から「あなたがいてくれて本当に良かった」という言葉を投げかけるのです。
その一言が男性の中に家庭の中における「男らしさ」を感じさせることになり、万が一、精子の質に問題があっても、男性性の喪失に直結させない力となるのです。
そういった下地作りを行いながら、「一緒に病院へ行きましょう!」と男性一人でその精子の質という「恐怖」に立ち向かわせないようにするのです。
男性は意外とナイーブです。
そこを理解して妊活に臨むと男性は病院に行くという敷居を高く感じないようになるのです。