男性不妊に早めに対処することで不妊治療のコストを減らせる?
内閣府より公表された平成28年度版少子化対策白書によりますと2014年の合計特殊出生率は1.42と9年ぶりに前年を下回っています。
この合計特殊出生率は2005年の1.26よりは回復しているものの、1.57ショックと言われた1989年レベルには回復はしておらず厳しい状況が続いています。
このような中、国は「子育て支援策」「結婚、出産が実現できる環境整備」「ワークライフバランス」など様々な少子化対策を行ってきております。
最近ではこの少子化対策が地方自治体にも波及し、国の政策に加えて、もしくは国の政策とは別に様々な少子化対策を行っております。
2016年5月にはダイヤモンド⭐️ユカイ氏が「埼玉県こうのとり大使」に就任されたことも含め、国や地方自治体が少子化対策としての妊娠、不妊について政策や運動として本格的に取り組み始めています。
【専門家紹介】
大間 武 オオマ タケシ
( ファイナンシャルプランナー/ 千葉県)
株式会社くらしと家計のサポートセンター 代表取締役
飲食業などの経理、公開予定企業の経理業務構築、ベンチャーキャピタルの投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、家計管理のアドバイス、監査役など社外役員として企業運営サポート、セミナー講師講演、執筆など幅広く活動。
体外受精で一度にかかる費用が50万円!!男性不妊に気づかずに、体外受精を繰り返すと、その分の不妊治療費が無駄になってしまう
「体外受精」と言いましてもその方法は様々あり、体外受精を行う時の体等の状態、夫婦の希望により選択される治療方法は異なります。
そして体外受精のコストも治療内容に応じて金額に幅があり、30万円台から100万円台まで治療を受ける病院によって異なります。
体外受精に必要なコストは数か月分の給与に相当します。1回の体外受精で成功すれば良いですが、複数回行うとなると経済的負担はさらに大きくなります。
そこで(体外受精に限ったことではありませんが)大きなコストをかけて行う「事」には「現状を知る」(各種検査を受ける)ところから始めていただきたいと思います。
現状がわかり不妊の原因が判明すれば、行うべき不妊治療が明確になり、治療が完了すれば妊娠する確率が高まるということになります。
最初に男性不妊の専門医に受診すれば検査で平均4万円のコスト。追加で費用が掛かってもトータルでの支出は減る
男性不妊の専門医に受診した場合、まず様々な検査を行い現状がどのようになっているのかを確認します。
そしてその検査結果を元にどのような治療が必要かを検討し、治療が開始されます。
費用は初診検査等で4万円ほど、不妊治療は治療内容によって1回数千円から40万円ほどまでの幅があります。
前項でもお伝えしましたが、検査を行って現状を知り、治療が必要な所を確認した上で適切な治療を行うわけですから、検査や治療に費用はかかりますが、妊娠できない原因もわからず体外受精を繰り返すよりは金銭面、時間面、精神面全てにおいて有効だと思います。
男性不妊治療費用負担軽減として地方自治体でも各種助成を行っており、例えば2014年合計特殊出生率が1.15と全国で最も低い東京都の場合、特定不妊治療と併せて男性の不妊手術も行った場合、最大で40万円の助成を受けることができます。
不妊治療を受ける前に、男性も検査を受けることが、トータルでコストダウンになる
「不妊治療」という言葉を聞いた時に男性は関係ないだろう・・・というイメージを持つ方が多かったのではないかと思います。
しかし今は違います。
女性も男性もまずはきちんと検査を受けて「現状を知る」ところから始め、適切な治療を行い、準備を整えてから妊娠に向けてのステップへ進みましょう。
男性不妊治療には費用もかかりますが、今では多くの地方自治体が助成を行っています。
お住まいの自治体の助成内容を確認し、助成を受けることができるかどうか確認した上で不妊治療を開始してください。
不妊に関する様々な不安を事前に解消することは精神的に良く、金銭、時間を有効に活用することができます。
また、他のライフイベントの準備、実行にも良い流れを作ってくれますので夫婦での情報共有、コミュニケーションを密にして共に考えながら進めていただきたいと思います。