妊活には夫の教育が大切？

立夏を過ぎ、春の慌ただしさも少し落ち着いた頃ではないでしょうか。

日本は冷えを気にされる女性が多いということもあり、本格的な妊活をこの時期から始めるという方も少なくないのですが、妊活を進めていく中で意外と知られていない、とても大切なことがあります。
それはパートナーへの教育です。

多くの女性は知っている「不妊の原因の半分は男性側に起因」ということは男性も同じだけ理解しているとは言えません。
一般には卵子の質ばかりが取り上げられますが、精子の質は卵子の質同様にとても大切なものです。

例えば、顕微授精における生産率(出生数 / 移植数)を見てみると男性のBMI18.5-24群を100とした場合、BMI25-29群で0.40に、そしてBMIが30を超える群だと、何と0.16まで激減してしまいます※1。
※1 Fertil Steril. 2012 Nov;98(5):1193-9.

また、喫煙は精子の数や運動量、奇形率に影響を与えます。
こういった質の悪い精子をそのままにしていては、どんなに女性が頑張って卵子の質を改善してもなかなか妊娠することができないということになります。

【専門家紹介】
山田 光敏 ヤマダ ミツトシ
鍼灸マッサージ師
東京身体療法研究所　総院長

生後1か月の赤ちゃんから104歳の高齢者までを受診する。
不妊施術を中心とし、ダウン症や脳性麻痺と言った障碍を持った赤ちゃんの発育援助、女性に対しては美容から症状緩和高齢の方の痛み対策など、幅広く治療する。
不妊施術治療院としては都内最古の歴史を持つ。

HP　http://www.tokyobody.jp/cgi-bin/new/index.cgi

パートナーと向き合うのはエネルギーが必要になる事もあります。
仕事を終えて疲れを癒すべく帰宅をしたのに、妊活の話題でエネルギーを使わなくてはならない・・・こんな事が頻繁に起こると徐々に妊活から離れたくなっていきます。
そこで、パートナーへの教育は妊活という考えから少し離れて、2人の生活をより良くしていくという視点で教育を進めて欲しいのです。

「あなたと年老いても健康で暮らしたい」という想いはパートナーからしたらとても嬉しいものです。
そして、日本のメディアは健康を取り上げる事が多く、そういった話題は妊活について話し合うよりもエネルギーを必要としません。

肥満や喫煙などに対しても理解を示しながら、糖尿病や高血圧などといったことがメディアで取り上げられた時に話しを振って「少し食事を変えてみるね」とか「休みの日に一緒にウォーキングしようか」といった具合に、パートナーの健康を留意しつつ「一緒」に改善を試みると言った感じに話しをしてみると良いと思います。

パートナーに対する教育の仕方を変えることで、夫婦行為の回数が増えたとか、話かけた時によく聞いてくれるようになったという声をよく頂きます。

妊活は1人でするものではなく2人で行うものです。
その時に、一方の思いが強くそれに引きずられていてはなかなか思いを成就できません。
妊活でのパートナー関係はその後の子育てにもつながっていきます。
パートナーを思いやり、そして愛の結晶としての赤ちゃんを育んで欲しいと思います。