著書「妊活食」は16年の食事指導実績から 〜岡田明子さんに聞く
現在、色々な妊活レシピの本が出版されていますが、その中でも、「30代からの妊活食」という本は、ちょっと異彩を放っているように思います。
その理由は、
- 等身大で取り組める方法が書かれている
- 妊活する女性のことを理解して書かれている
という2点。
確かに、栄養素が詳しく書いてある本、レシピがたくさん載っている本は、何冊もあります。
でも、「そんな難しいこと言われても・・・」「こんな面倒な料理、毎日作れない」といった本が多いのも事実。
ところが、「妊活食」という本は、この点がとても良くできていて、「これなら自分でも出来る!」と思えるようなことが書いてあって、本を読むごとに元気づけられる気さえしてきてしまいます。
そこで、今回は、著者の岡田明子さんにインタビューをさせて頂きました。
本を買うか迷っている方は、良かったら、参考にしてみてくださいね。
【著者:岡田 明子(おかだ あきこ)】
管理栄養士として健康関連のレシピ提供や商品開発、講演や執筆、メディア出演など予防医療分野を中心に幅広く活躍中。
自身の35歳からの妊活、妊娠を通じて「妊娠を望む方の食事サポート」も行い、個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評がある。食事サポート実績は延べ1万人に及ぶ。
2014年一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、 栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。
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食事がストレスになってはダメ。継続することが大切です。
— 「30代からの妊活食」を読んでいると、妊活している女性に対して、とても優しいというか・・・立場を理解していくれているという気持ちで読めます。この辺りは岡田さんとしてのこだわりでしょうか?
岡田: 私は、16年間の食事指導実績がありますが、その中で思っていることの一つとして、お話しが、いわゆる「上から目線」になってしまうと、食生活の改善につながらないというのがあります。ですから、読んでくださる方の気持ちに、できるだけ寄り添いたいと思って書かせて頂きました。
— 実践しやすいこと、無理なく出来ることが書かれているという印象です。
岡田: どんなに正しいことでも、それが原因で、食がストレスになってしまうと意味がありません。
— ストレスが妊活にプラスになるとは思えませんよね。
岡田: 食事を直しても、すぐに何かが良くなるわけではありません。だからこそ、食事は「継続」がポイントです。毎日の積み重ねによって、少しずつでも改善していくことが大切なんです。
岡田さん自身の妊活体験が生かされている
— 岡田さんご自身も妊活を経験されていますよね。この本にも、そういった、ご自身の経験は生かされていますか?
岡田: 自分自身が妊活した時に思ったことの一つが、「ネット上に、いろんな情報があふれていて、余計に不安になる」というものがあります。そのため、これまでも、「わかりやすく!正しい情報をお伝えすること」を大切にセミナーをしてきました。
— 確かに、わかりにく書き方で、色々な情報があると混乱しますね。その結果、たくさん調べて知識が増えるのに、実は何も前に進んでいないということは、よくあると思います。
岡田: そうですね。妊活するなら、実践しないと意味がありません。知識が蓄積しても、それだけでは、何も前に進みません。
— 「30代からの妊活食」に書かれていることは、実践しやすいことが中心になっていますね。
岡田: はい。自分に置き換えた時に、「厳しいことを言われてもできないよね・・・」というのがあります。特に、仕事をしていると食事のハードルは高いです。
— それで、「自分のライフスタイルにあったマイルールを作る」ということが書かれているわけですね。
岡田: はい。私は、妊活の食事指導をする前に、ダイエットの食事指導をしていましたが、その時から自分に合った「マイルール」を作ることはずっと提唱してきました。それが、継続するために必要なことだからです。
— 「妊活食」は、出産した時、育児の時にも役立つという観点も、ご自身の「妊活→妊娠→出産→子育て」というご経験から生まれたものですか?
岡田: はい。妊活中はどうしても、妊娠することだけに目がいってしまいがちです。でも、妊娠しても、出産しても、色々と不安はつきまとうものです。それなら、最初から、妊娠の先のことも考えれば良いと思うんです。妊活中に、妊娠のことだけを考えると辛くなりますからね。
岡田さんのコンサルの現場から
— 不妊治療をしている途中で、岡田さんにコンサルを受けるようになる人もいらっしゃるのですか?
岡田: はい。 不妊治療の前でも、治療中でも、食事はとても大切です。
— 岡田さんのクライアントさんだと、指導を受けてからどのくらいで変化を感じる人が多いのですか?
岡田: 食生活が乱れていた人ほど変化を感じるのが早いですね。早いと1週間、大体1ヶ月くらいで、何らかの変化を感じてきます。
— 具体的には、どんな変化があったら、食事の効果があったと考えて良いのですか?
岡田: 体調面で考えると良いですね。「疲れにくくなった」とか「便秘が解消された」とか「冷えが改善した」といった実感があれば、食事の効果が出てきているということになります。
絵に描いた餅に終わらない、「私にも出来る!」と思える方法
— 「30代からの妊活食」を読んでいて印象的だったのは、アドバイスの一つ一つが、とても現実的だったことです。難しいレシピや、難解な方法論を言われても絵に描いた餅で終わってしまいます。でも、この本に書かれていたことは、どれも、「私にも出来る!」と思える内容でした。特に、「どうしても付き合いで外食する時は、プラス1品しましょう」という部分は、「なるほど!」と思いました。
岡田: そうですね。お付き合いで外食することもあるでしょうし、そんな時に自分だけ「量を減らす」という行為が、場の空気を乱してしまう・・・なんてこともありますよね。だから、「減らす」よりも「1品増やす」ことの方が取り組みやすい場合もありますね。
— 本の中では、野菜などをプラスすることを勧めていますよね。野菜をプラスことで、どういった効果が出るのでしょうか。
岡田: ビタミン、ミネラル、食物繊維を増やすことで、代謝がスムーズに行われるようになります。
— これなら、コンビニでご飯を買う場合にも出来ることですよね。岡田さんは、本の中で、コンビニ食でも工夫の仕方があるということを書いています。コンビニ食、外食もOKなんだな!と思うと、気が楽です。(笑)
岡田: コンビニ食は年々進化しています。ヘルシー志向が強いメニューが増えている印象ですね。何品目も取れるスープや、レンジでチンするだけの焼き魚、パックに入ったひじきなど、バリエーションが豊富になっています。
— コンビニでのサラダの選び方にもコツはありますか?
岡田: できれば、緑黄色野菜を摂りたいですね。野菜スティックの人参や、レンジでチンする温野菜、他には、海藻サラダなども良いですね。色の濃い野菜が入っているものがベターです。
— 豚しゃぶや鶏肉が入ったサラダはどうですか。
岡田: コンビニ食では、タンパク質が不足することが多いので、良いと思います。おにぎりを買う場合にも、たんぱく質が入ったもの・・・例えば、シャケのおにぎりなども良いですね。
タンパク質を摂って、バランスの良い食事をすることがポイント
— 本の中で、昨今は、痩せ型の女性、栄養不足になっている女性が多いという話が書いてありました。
岡田: はい。カロリーは摂れているけど、栄養バランスが悪い女性が増えていますね。
— これはなぜなのでしょうか?
岡田: 多くの女性の傾向として、油やタンパク質を毛嫌いしている人が増えています。
— 一方で、糖質制限ダイエットも流行りましたよね。
岡田: その場合は、炭水化物をとらないと水分量が減るので、一旦は体重は減ることもあるようです。ただ、その分、おかずを食べることで、脂質の取りすぎになってしまっているケースもあるんです。妊活に大切なのはバランス食です。間違ったダイエットでは、妊活に良い影響はありません。
インタビューを終えて
妊活の基本とも言える「食事」。
毎日のことだけに、努力を継続していかなければならないのですが、慣れないことをやると長続きしませんよね。
このあたりの事情を、岡田さんは、しっかりと理解されていて、ご自身の妊活、出産、育児の経験の中から、一つの道を示されているように思います。
無理せず続けられて、でも確実に妊娠に近づける・・・そんな方法が学べるのが、「30代からの妊活食」という本だと思います。