管理栄養士の立場から見たサプリメントの選び方
健康志向の高い現代では、サプリメントと言う言葉を耳にしない日はないのではないでしょうか。
コンビニでも手に入るほど手軽なものになってきました。
ところで、皆さんは何故サプリメントを飲まれているのでしょうか?
「健康でいたいから」「赤ちゃんが元気に育ってほしいから」など目的は様々だと思います。
しかし、カウンセリングしていると「良い!って聞いたからから飲んでいる」「健康のために飲んでいるけど、本当に効果はあるの?」と言う声を聞くことが多く、情報に左右されてとりあえず飲んでおくと言う方は少なくないように思います。
ここでは、サプリメントの利用の仕方、選び方や成分の読み方についてお伝えします。
【著者:梶本 遥】
~キレイと食から幸せに~というコンセプトのもと、内側からと外側からの美しさをサポートする平成生まれの管理栄養士。自身のダイエット経験や肌トラブルを通して女性の美しさには外側と内側の両面が必要と考え、健康運動指導士、ビューティーパートナーの資格を取得。健康食品会社の勤務経験も活かしつつ、内側からのサポートとして、食育関連の講師、ダイエットカウンセリングの実績は300人以上。外面からのサポートとして、肌質にあったスキンケアアドバイス、メイク講師などと幅広く活躍している。2014年Bijou を設立し健康・美容関連のレシピ提供や商品開発をはじめ、料理教室の開催している。
基本の栄養は食事から。サプリメントはあくまで補うものと知っておくこと。
現代の食の問題点である副栄養素の不足を補うために作りだされたのがサプリメントであり、健康食品に含まれる栄養素は本来毎日の食事から摂るべきものです。
サプリメントに通常の食生活を上回る役割を求めるのではなく、第一に普段の食事を見直し、何が足りていないのか、何が足りているのかを把握し、現状の健康状態の栄養の過不足を知る事が必要です。
例えば、今日の朝のおかず(主菜)は目玉焼き、お昼のおかずはお肉、夜のおかずも旦那さんのリクエストでお肉になっちゃって、お魚が食べられなかったな・・・なんて事も少なくはないと思います。
そんな日が1週間続いたり、体調によって食欲が左右されてお魚を受け付けないなという時には、お魚由来の油(必須脂肪酸と言って体では合成されないもの)が不足しますね。
この場合は先ずおかずに魚を摂り入れる事をします。
魚から摂れない場合はEPA、DHAの健康食品を使って補います。
そして、サプリメントは薬とは違い副作用が少なく、携帯できるので便利に手軽に取れて飽きも来ないというメリットと、咀嚼があまりなく、のどに引っかかったり、規定量が決まっているというデメリットの両面を持ち合わせていることを理解しましょう。
何のためにサプリメントを摂るのか目的を決めること。
例えば、赤ちゃんができやすい身体づくりということが目的であれば、赤ちゃんができやすい身体と言うのは健康状態が良好であるということなので、
- 貧血はないか?
- 冷えはないか?
- ホルモンバランスはどうか?
など今の自分の現状はどうかということを知ることから始めましょう。
そうすると自分の足りないものを見つけることができます。
ただ、闇雲にサプリメントを摂るのではなく、目的を持ち、必要な分を必要な分だけ摂る事が、結果的に健康に繋がっていくのです。
摂取量を守ること。
水溶性成分であればお水と仲良しな性質ですから、尿に溶け体外へ排泄されます。
マルチビタミンを摂ると「おしっこが黄色い」と感じた経験はありませんか?しかし、脂溶性成分のものは、摂りすぎますと体内に蓄積されます。
例えばビタミンAは過剰になりますと、胎児の奇形が起こった例もあります。健康のために摂っていても、摂りすぎは効果どころか害が生じてしまいますので、容器に記載してある摂取量はしっかりと守り、一定期間飲んでみましょう。
飲み合わせや量などわからない場合は薬剤師、管理栄養士、医師、登録販売者など専門家にご相談されることも安心して摂っていただく事につながります。
妊産婦さんの健康、回復などに適している健康食品として、国の許可を得ている特別用途食品もありますので用途に合わせてご使用いただくのも良いかと思います。
飲み方ですが、サプリメントを水道水で摂ると、成分が壊れる可能性がありますので、基本的にミネラルウォーターで摂ることをお勧めします。
水道水を使うときは、煮沸し塩素を飛ばしてから冷ましたもので摂るようにしましょう。
食事・運動・休養のバランスのいい生活習慣も大切です
最後に、サプリメントを効率的に働かせるための秘訣は「代謝アップ」です。
サプリメントは飲んでいるだけでは働かないので、適度な運動、良質な睡眠が必要になってきます。
つまり、補給したサプリメントを効率的に機能させるためには、食事・運動・休養のバランスのいい生活習慣を身につけ、体調・体質に合わせた飲み方をしましょう。