妊娠はゴールでは無い!出産・産後に備えるマネープランとは?
年間の支給回数や支給期間の制限がなくなる一方で、43歳以上の女性が助成金の支給対象から外れ、通算助成回数がこれまでの10回から6回(40歳以上43歳未満の場合は3回)に変更されます。
(自治体によっては、独自の助成制度を実施していますので、詳細は在住の自治体へご確認ください。)
新制度では助成額が増えたわけではなく、不妊治療には未だ一定の費用がかかりますので、蓄えが必要なことは変わりません。
今回は、出産から妊娠、産後までを見据えたマネープランについて、私が実際にお受けした例を交えてお話したいと思います。
【専門家紹介】
高橋 成壽 タカハシ ナルヒサ
( ファイナンシャルプランナー / 神奈川県)
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役
日本では数少ない「総合型FP」としてセミナーや個別のご相談を受ける。
累計のセミナー受講者数約5000名、年間相談件数200件超、暮らしとお金のことから経営相談など多岐にわたるコンサルティング業務を展開する。
結婚の前後から始まる不安と家計相談
私が実際にお受けした相談の例をお伝えしようと思います。
披露宴の直後の新婚夫婦からの相談で、生活がどうなるかを相談される方が増えています。
今まで別々に生活してきた二人。
これから子どもを授かる場合、教育費の負担はどれほどか、何人まで子供を産んでも学費を捻出できるか、などの相談が多い傾向にあります。
また、お財布を一つにまとめるきっかけに相談にお越しになる方もいらっしゃいます。
出産後、女性が体調を崩し仕事に復帰できないケースもあります。
夫婦共働きを前提として生活設計を立てていた場合、一人分の収入がないことで家計は赤字になり、小さい赤ちゃんを抱えて不安がピークに達して相談に来ることもあります。
健康でいられる場合は働けますが、働けない場合を想定すると不安が募るのも当然のことでしょう。
妊娠~子育てにかかるお金とは?
ここからは、出産から妊娠、産後までにかかる費用と、得られる公的支援について考えてみましょう。
マネープランをイメージする際、かかる費用について一つずつ分解して考えることは、実はとても大切です。
妊娠から出産までのお金
妊娠検査薬でのチェックで妊娠の疑いがあれば、産婦人科を受診します。妊娠が判明したら、定期的な妊婦健診を受けましょう。妊婦健診ではお住まいの自治体から助成があります。自治体ごとに手厚さも違いますから、お住まいの近隣自治体に確認しておくことをオススメします。
その際、将来的な保育の事も考えて、子供の医療費の無料期間や、待機児童の人数なども確認しておくべきです。
他にも引越しの問題も生まれます。頻繁に引っ越すわけにもいきませんし、子供が産まれると引っ越しの大変さがアップします。
妊娠中に体調を崩す妊婦さんもいます。切迫早産などで緊急入院する方もいますし、妊娠糖尿病などになる方もいらっしゃいます。
普段以上に医療費がかかる可能性があることを覚えておきましょう。
マタニティウエアなども購入する必要があるでしょう。
出産と出産後のお金
一般的に出産時にかかる費用は40万円ほどです。私の子供が産まれたときも同様程度でした。
個室しかないような産婦人科ですとベッド代がかかることもあります。
一日1万円のベッド代だとすると、7日~14日の入院で7万円から14万円余分に費用がかかることもあるでしょう。
健康保険から出産育児一時金がもらえますので、通常のケースであれば42万円受け取ることができます。
生まれた後は、赤ちゃん用の洋服、玩具、家具などを買いそろえる必要があります。その他にも、粉ミルクやおむつが大量に必要になります。
子育てのお金
一般的にはお子様がすべて公立校に進学された場合は、約750万円。すべて私立校にいく場合は約2,100万円かかると言われています。
お子さんが生まれたら生命保険に加入する方が多いですから、保険料の負担も増えてきます。
お子さんの教育資金の準備で、学資の積立を始める方が大半です。
将来、教育ローンを借りたり、お子さんが奨学金を借りることで、卒業後の家計を圧迫しない様に、あらかじめ親が考えておくことが必要でしょう。
このように、一般的には妊娠、出産から子育てまで多くの出費がかかります。
同時に、得られる支援を知っておくことはとても大切です。
子育ては計画的に。妊活中から育児までのマネープランを
様々な可能性があるからこそ、妊娠、出産、子育ては予算を踏まえたマネープランを作成し、無理のない範囲で実施することが大切です。