新入社員の今だから確認しておきたい「女性が妊娠できる時期」
桜も咲き乱れる中、新たな人生のスタート地点に立たれた皆さま、ご就職おめでとうございます。
これから新しい環境の中で仕事を覚え、新しい友人と出会い、そして趣味を膨らませる。
人生の中でもとても大切な時期を過ごすことでしょう。
日々新しいことに追われ、時間がどんどん過ぎてしまう時期だからこそ、「ライフプランニング」というものを考えていただきたいと思います。
ここでは女性の妊娠力というものを踏まえて、どう自分の妊娠・出産というものをこれからの人生において考えていくかについて書いていきましょう。
【専門家紹介】
山田 光敏 ヤマダ ミツトシ
鍼灸マッサージ師
東京身体療法研究所 総院長
生後1か月の赤ちゃんから104歳の高齢者までを受診する。
不妊施術を中心とし、ダウン症や脳性麻痺と言った障碍を持った赤ちゃんの発育援助、女性に対しては美容から症状緩和高齢の方の痛み対策など、幅広く治療する。
不妊施術治療院としては都内最古の歴史を持つ。
HP http://www.tokyobody.jp/cgi-bin/new/index.cgi
妊娠しやすい期間は思いのほか短い
テレビなどを見ていると40歳代の女優さんらの妊娠報告を良く目にします。
そうした事もあり、年齢をある程度重ねても「いつでも妊娠できる」、そう考える女性は少なくありません。
しかし、女性の妊娠力は3つの理由で年齢と共に低下してしまいます。
卵巣の中の卵のストックは急激に減ってしまうから
人にもよりますが、生理を初めて迎えた頃はおよそ20万個の卵の素があります。
それを生理の度に数千個消費してその中から一番良いものを排卵します。
ところが、残りが2万個ほどになると数百個の中から1個を選ぶようになる。
それが35歳と言われています。
そういった関係で35歳を超えるあたりから急激に妊娠力は低下してしまいます。
卵の染色体のエラーが増えてしまうから
卵の中には、体を作る設計図の束である「染色体」と呼ばれるものがあります。
卵を作る時にこの染色体を分離していくのですが、年と共に同じ量に分離できなくなったり、部分的に混ざってしまう事があります。
そういった卵は妊娠できなかったり流産してしまったりするのです。
これも35歳が一つのポイントとなっています。
卵が活動するためのエネルギーを作れなくなるから
卵を始めとする細胞は細胞の中にエネルギーを作るためのものがあります。
それをミトコンドリアと言います。
このミトコンドリアもまた年齢と共に少なくなってしまい、これが少ない卵は精子と受精しても育つ前に死んでしまいます。
主にこのような理由から、女性が妊娠しやすい時期というのは多くの方が考えているよりも短いことが分かります。
多くの女性は「妊娠しやすい期間」を意識していない
ところが、こうしたからだの変化は急激に起こらないので、自分の妊娠力が低下していくことを実感することはあまりありません。
無理な生活が続いて生理周期が乱れたり、生理が止まってしまうようなことを経験した人でも、自分の妊娠力が下がっていると考える人は少ないように感じます。
実際に「2015年人口動態統計」を見てみると女性の初婚年齢の平均は29.4歳。2002年が27.4歳でしたから、ずい分と晩婚化が進んでいることが分かります。
これは「妊娠しやすい期間」を意識していないことも影響しているのではないでしょうか。
どうして「妊娠しやすい期間」を考えない人が増えたのか
2014年、「卵の老化」ということが多くのメディアで取り上げられましたが、だからといって若い女性の結婚が増えたという話しは耳にしません。
少し前でしたら、キャリア志向があって結婚は二の次という女性も少なくありませんでしたが、現代はもっと“自分らしく”を考える女性が増えています。
好きなことに時間をかけると、男性と付き合う時間が少なくなってしまいます。
よく、彼氏のいない女性は理想が高いといったことがまことしやかに言われますが、多くの場合は習い事や友人との時間が楽しくて彼氏を作ろうとしない女性の方が多いような気がします。
自分らしさも大切です。ですが、それを追い続けると気が付いたら妊娠しやすい時期が終わりを告げているかもしれませんから注意が必要です。
自分を大切にすることの中に、女性だけに備えられている、妊娠という考えを取り入れたライフプランニングを立てて欲しいと思います。きっと素晴らしい人生が幕を開くと思います。