【妊活体験記】漢方を飲めば、必ず!というわけではない
妊活心理カウンセラーの今井さいこです。
今でこそ妊活についての知識があり、妊活中の女性やご夫婦のカウンセリングをしている私ですが、自分が妊活を始めたころは、全くの無知でいろいろと遠回りをしてきました。
妊活のキーワードとなる言葉と共に私の妊活体験記をお伝えし、遠回りをしない妊活をしてもらえたらと思い、体験記を書くことにしました。
今回は、タイミング法と並行して取り入れていた「漢方」についてのお話をします。
【著者 今井さいこ】
LIB Laboratory 代表
NPOハピマムプロジェクト 理事
高校生の時「環境による心への影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、2009年より女性向けの個人向け心理カウンセリングを開始。自身の妊活経験で「妊活中も、妊活以外の女性としての楽しみを充実させたい」と感じたことから、2013年より妊活女性・ご夫婦向け心理カウンセリングを開始。現在、妊活中のメンタルケアだけでなく、産後女性のメンタルケアも行なっている。
過去の経験を活かし、漢方をとりいれた
妊活を始めて1年経ったころ、なかなか妊娠をしないことに焦りを感じていました。
クリニックでタイミング法の指導をしてもらってもなかなか妊娠せず、通院もやめていたころです。
サプリメント、漢方、鍼灸、冷え取り・・・
自分の妊活に、何か新しいものを取り入れようといろいろな候補を挙げてみました。
それらを眺めながら、以前、便秘に漢方がかなり効果があったことを思い出しました。
私は極度の便秘でしたが、漢方を飲み始めてからはそれが嘘のように解消されたのです。
この経験から、私には漢方が合っているかもしれないと思い、妊活にも漢方を取り入れることにしたのです。
さっそく自宅近くにどんな漢方薬局があるのか調べてみたところ、2駅先に子宝漢方で全国的にも有名な先生がいることがわかり、主人と言って話を聞いてみることにしました。
妊娠と漢方の関係
実際に足を運ぶと、そこは小さな漢方薬局ではありましたが、たくさんの感謝の手紙が貼ってあり、それを読むうちに希望が湧いてきたのです。
「きっとここの漢方を服用すれば、効果があるに違いない!」
根拠のない期待が、私の中で湧いてきました。
順番になり、問診してもらうと、とても気さくな先生で「大丈夫だよ」という言葉を何度も言ってくれました。
なかなか妊娠せず、「だめだ、だめだ」と自分に言い続けてきた私には、それだけでも心が救われる思いでした。
漢方は、「生理前、生理中、生理後」の周期に合わせて薬を3つ服用するものでした。
初回は、問診と全種類の薬代で3万円を超える金額を払いました。
あまりの高さにびっくりしましたが、不妊治療をするよりは安い、と始めることにしました。
漢方は飲み忘れると効果がない、ということで、忘れっぽい私は毎日緊張していたことを思い出します。
飲み始めて2周期目に入るころ、生理が遅れていることに気づき、期待に胸が膨らみました。
「やっぱり漢方は私に合っていたんだ!」
とはいえ、これまでもフライングでぬか喜びした回数は数知れず・・・1週間我慢して妊娠検査薬を使いました。
結果は、見事妊娠!!
この時の喜びは今でもはっきりと思い出せます。
ですが、この妊娠は「子宮外妊娠」という悲しい結末を迎えました。
妊活再開と漢方
子宮外妊娠後2か月で医師から妊活の許可が下りたので、自己流タイミング法+漢方で妊活を再開しました。
久しぶりに漢方薬局に行くと、先生から「子宮外妊娠でも心配しなくて大丈夫。私の奥さんも子宮外妊娠だったけど、その後3人子供を産んでいるから」と言ってもらい、再び希望を持つことができました。
しかし、それから半年、まったく妊娠の兆候が見られず、夫婦で話し合って漢方をやめることにしました。
理由の1つは、周期に合わせているとは言え、私の体に合わせた量や内容が処方されているわけではないので、本当に効果があるのだろうか、と疑問に思ったことがきっかけです。
それに、自然妊娠の結果、また子宮外妊娠になることも怖かったのです。
以前は、自然妊娠に強いこだわりを持っていた私ですが、子宮外妊娠を経て、医療に身を委ねることに抵抗がなくなったこと、年齢のことも考えました。
夫婦での話し合いの結果、不妊治療にステップアップをした方が私たちにはいいだろう、という結論に至りました。
漢方のメリットとデメリットを考える
新しいことを始める時には、どうしてもメリットに目が行きがちです。
それは、期待の大きさの表れでもあります。
ですが、何事にもデメリットがあり、その点を考慮してそれを始めるかどうかを決めることが大切です。
漢方を妊活に取り入れる時、私にとってのメリットは「自然妊娠できる」というその1点で、デメリットについて全く考えていませんでした。
今思えば、「自然妊娠できる」ではなく「自然妊娠できる可能性がある」が正解で、デメリットは「漢方も薬なので副作用がある、高い、飲み忘れたら効果がない、自分に本当に必要かどうか不明」などいろいろ考えられたと思います。
漢方を取り入れるメリットが「体質改善(便秘解消など)」であれば効果がわかりやすく、デメリットについても納得した上で継続できたかもしれません。
ですが、妊娠は授かりもので「絶対妊娠できる」保証はありません。
その点を甘く考えていたことが反省点です。
今は、「子宝漢方」という名前でいろいろな漢方薬局がありますが、上記の点を踏まえて妊活に取り入れることが大事だと私は思っています。