妊娠初期の流産について、正しい知識を持ちましょう!
妊娠初期には、おりものの色の変化や出血、腹痛などが気になって、ちょっとしたことでも流産を心配してしまいますね。
気になることがあったら、産院に電話して聞くのが原則。
でも、その前に、基本的な知識を押さえておくと、産院の先生や看護師さんのお話が、すっと頭に入ってきます。
そこで、この記事では、産院に問い合わせる前に知っておいた方が良い、流産の基礎知識をまとめてみました。
なお、自分のおりものの色や出血のことが気になっている人は、次の記事を読んでください。
1. 流産とは
2. 流産の種類
– 化学流産
– 稽留流産
– 完全流産
– 不全流産
– 進行流産
– 習慣性流産
3. 流産の兆候・症状
– 出血・おりもの
– 腹痛
4. 流産の診断
5. 流産の原因
6. 流産の手術
7. 流産の確率について
8. 流産の時期
9. 流産後のセックス・妊娠について
– 流産後のセックス
– 流産直後の妊娠にはリスクがあります
流産とは?
「流産」とは、妊娠22週未満で妊娠継続ができなくなることです。
妊娠22週以降の場合は、生まれても育っていける可能性があるので「早産」と言いますし、赤ちゃんの育つ力が弱くて亡くなってしまった場合には「死産」と呼びます。
流産の種類
化学流産
受精卵が着床するかしないかくらいの、ごく初期の流産を化学流産と言います。
妊娠検査薬で反応したのに、産科に入ったら妊娠の確認ができなかった・・・というのは、これに該当することが多いです。
また、気づくことなく体外に排出されてしまうので、月経と思われることが多いのも特徴です。
稽留流産
子宮内で胎児が死亡している状態を稽留流産と言います。
自覚症状は、ありません。
妊婦検診時に、心音が確認できないことで、初めてわかる流産です。
完全流産
完全流産とは、赤ちゃんや子宮の内容物が全て出てしまった状態のことです。
不全流産
赤ちゃんや胎嚢が完全には娩出されず残っている状態を不全流産と言います。
この場合、残留物を取り除く処置が必要です。
出血や下腹部痛は続いているケースがほとんど。
進行流産
子宮が収縮を始め、子宮の内容物が出始めている状態。
止めることはできません。
多量の出血・痛みを伴うことが多いです。
習慣性流産
流産が3回異常続くことを習慣性流産と言います。
原因は様々で、治療が可能な場合も。
不育症とも言われ、自治体によっては、不育症の治療に助成金を出しています。
ただ、不育症では、原因不明の偶発的な流産が65%程度もあると言われています。
不育症の原因として指摘されているのは、「血栓症ができやすくなる」「子宮形態異常」「甲状腺異常」「夫婦の染色体異常」などがあります。
流産の兆候・症状
出血・おりもの
妊娠初期に、出血によって、おりものが茶色になったり、ピンク色の血が混ざったりすることがあります。
全てが、流産の兆候というわけではないのですが、長く続いたり、臭いを伴ったりするようであれば、産院に相談した方が良いですね。
突然、多量の出血がある場合は、すぐに産院に連絡しましょう。
腹痛
妊娠初期の流産では腹痛はないことがほとんどです。
ただ、妊娠週数が進むと、月経痛のような痛みがある場合もあります。
腹痛が、長く続く時や、突然激しい痛みに襲われた時には、産院に連絡して下さい。
流産の診断
流産の診断は、超音波検査の結果を待たないとわからないことがほとんどです。
出血や痛みなど、外から見てわかることで、「流産している」と判断できることはほとんどありません。
産院の診察を受けて、胎嚢・心拍が確認されないことで流産は判明します。
特に、稽留流産は、何の症状も出ません。
流産かどうかは、早計に判断せず、必ず医師に診てもらってくださいね。
流産の原因
流産の原因は、妊娠12週を挟んで分かれます。
妊娠12週未満で流産した場合、原因は胎児側にある場合がほとんどです。
染色体異常などが原因のため、防ぎようがありません。
一方、妊娠12週以降の場合はママ側の問題が多くなります。
子宮形態の異常や感染症、子宮頸管無力症などが原因になることが多いです。
また、運動や旅行などの不注意が原因になることはありません。
中絶経験があることで、流産の心配をするママもいますが、中絶後にトラブルなく回復していれば大丈夫。
少なくとも、今回正常に妊娠できていれば、問題はありません。
流産の手術
流産になった場合、赤ちゃん・胎盤・臍帯を子宮から取り出す処置をしないとなりません。
この場合、全身麻酔をしてから処置をします。
そのままにしておくと感染・大出血が起こる可能性があるからです。
妊娠初期の流産では、ほとんどのケースで、当日か翌日には帰宅できます。
流産の確率について
流産は、全妊娠の10〜15%の確率で起こると言われていて、決してレアなケースではありません。
流産の確率は35歳を過ぎると増える傾向にあって、35〜39歳以上で17〜18%、40歳以上で25〜30%になると言われています。
では、なぜ高齢になるに従って、流産の確率は上がるのでしょうか?
これは卵子の老化が原因だと言われています。
卵子の老化に伴って、卵子の染色体異常の確率が上がります。
そのため、受精後、成長しきれない受精卵になってしまうリスクが上がってしまうのです。
流産の時期
同じ妊娠初期でも、流産しやすい時期と流産しにくい時期があります。
もっとも流産の確率が上がる時期は、妊娠9週。
ここを頂点に、妊娠6〜10週が、流産が多くなる時期です。
また、妊娠12週以降の流産は全流産の10%程度となり、妊娠中期となる妊娠16週以降は安定期に入るため、ほとんどのママは流産しなくなります。
ただ、高齢出産の場合、妊娠中期以降も流産に気をつけるべきだという医師もいます。
体に気をつけて過ごすことが大切ですね。
流産後のセックス・妊娠について
流産後のセックスについて
流産後のセックスの再開は、医師から許可が出るまでは控えましょう。
通常、手術後1〜2週間で許可が出る場合が多いです。
ただし、次の月経が来るまでは、しばらくは避妊すべきです。
医師によっては、月経が2〜3回来るまでは避妊をすべきとしている人もいます。
流産直後の妊娠にはリスクがあります
流産後、すぐに妊娠した場合にはリスクがあると言われています。
これは、子宮内膜が回復していないからです。
そのまま妊娠してしまうと、出産の時に胎盤が剥がれにくくなる(癒着胎盤)を引き起こすことがあり、母子ともに危険な状態になることがあるので、注意してくださいね。
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