妊娠したら知っておきたい医療保険のお話
医療保険は、入院・手術をした時に
日額×入院日数の金額を受け取れる
という保険のことです。
ですから、生命保険(死亡保険)が、パパやママが死亡した時に支払われる保険だったのに対して、医療保険は、パパやママが入院。手術をした時に支払われる保険ということになります。
医療保険に入る理由
では、なぜ医療保険は必要なのでしょうか?
入院費のカバー
一つは入院費をカバーするためです。
平成25年の生命保険文化センターの調査によると、
入院費用の平均は約22.7万円
1日あたりの自己負担額は16,004円
と言われています。
パパやママが手術・入院をするとお金がかかりますから、結果として、子供に経済面で辛い思いをさせないとならなくなってしまいます。
医療保険に入っていれば、その分の費用がカバーできますから、手術・入院をしても、子供にかける費用も減らす必要がありません。
収入保障
もう一つは収入保障をするためです。
長期入院となった場合、お給料が入らなくなったり、自営業の場合は収入が激減したりする可能性がありますよね。
収入がなくなってしまえば、生活が成り立たなくなる可能性があります。
長期入院が子供の受験期にでも重なれば、子供の進路に影響を与えかねませんね。
その時に、入院費をカバーしたり、収入を支えたりする目的で加入するのが、医療保険ということになります。
死亡時の収入保障は生命保険(死亡保険)で、入院・手術時の収入保障は医療保険で行うわけです。
医療保険の入院保障は、いくらにするのが良い?
では、医療保険の入院保障は、一体いくらにするのが良いのでしょうか。
1日あたりに出る入院保証は5,000円、10,000円、20,000円など、いくつかの設定が可能です。
当然、保障額が上がれば上がるほど、月々の保険料も上がってしまいますから、家計とのバランスを考える必要はあります。
家計にゆとりがない場合は、長期入院することになった場合の収入保障と考えて、最低限のものでも良いと思います。
健康保険が効く場合は、高額療養費・傷病手当金の制度もあるので、差額ベッドなどの利用をしなければ、入院・手術にかかるお金はカバーできることが多いです。
ただし、「入院時にはどうしても個室が良い!」というこだわりがあれば、その分をカバーする医療保険が必要です。
この場合は、以下のデータが参考になるかもしれません。
生命保険文化センターの調査によると、1回の入院費用の平均は、約22.7万円、1日あたりの自己負担額は、高額療養費利用後でも16,004円(治療費・食事代・差額ベッド代含む)というデータがあります。
ポイントになるのは差額ベッド代。
大部屋ではなく、二人部屋とか個室を利用する場合は、その分1泊あたりの入院費が高くなります。
これを「差額ベッド代」と言います。
この差額ベッド代は、健康保険や高額療養費制度といった公的助成を受けられないため、自己負担をしないとならないわけです。
ちなみに、厚生労働省の調査によると、差額ベッド代の全国平均は、個室が7,478円、2人部屋が3,043円となっています。
※管理人の経験だと、都内はもっと高額だと思いますので、都内在住の人は、事前に調べたほうが良いかもしれません。
さて、このように考えてきた場合、入院保障の日額の目安はいくらにすべきでしょうか?
家計にゆとりがなければ、入院費のカバーだけと考えて、5,000円で十分です。
ただし、生活費もカバーするなら、10,000円は欲しいところ。
また、差額ベッド代などもカバーするなら、日額15,000円以上は必要になると思います。
医療保険のチェックポイント
日額以外にも、医療保険を選ぶ時にはチェックポイントがあります。
入院何日目から保障してくれるの?
まず、「入院給付金がもらえるのは、入院何日目からになるか?」は必ずチェックしましょう。
中には、数十年前に契約している保険などで、20日以上の入院をしないと給付金が出ないものもあるので注意が必要です。
何日分の給付を受けられるの?
また「何日分までもらえるのか?」も大切なところ。
30日、60日、120日など様々なタイプがあります。
かりに90日間入院したとして、加入していた医療保険の給付日数が30日になっていたら、残りの60日分は給付を受けられないことになってしまいます。
保険料の払い込み方は?
保険料の払い込み方法も、医療保険によって異なります。
定期タイプの医療保険
定期タイプの医療保険の場合、10年とか20年といった特定の期間内だけ、保障を受けられるものになります。
ですから、この期間が終わってしまえば、一切の保障は受けれれません。
その代わり保険料が安いというメリットがあります。
ただし注意したいのは、更新時期に保険料が上がるということ。
10年後には、月額の保険料が2倍になる・・・といったことも普通にありますので、注意してくださいね。
終身タイプの医療保険
終身タイプの医療保険の場合、保障は一生続きます。
定期保険のように保障期間がどこかで途切れてしまうことはありません。
その上、保険料はずっっと変わらないのもメリットですね。
また、終身タイプの医療保険でも、保険料をいつまで払うか?は色々なものがあります。
もちろん、保障が一生続くので、保険料も一生払い続けるタイプは多いです。
一方で、60,65歳で払い込みが終わるタイプもあります。
これだと、働いている間だけ保険料を払えば良いので、老後に保険料の支払いをしないですみますね。
通院でも給付金をもらえるか?
最近では、通院でも給付金を受け取れるものが増えています。
これは、一般的に入院期間が短くなっていることや、日帰り手術が増えているためですね。
妊娠・出産と医療保険の深い関係
医療保険は出産には適用されません
まず、前提として知っておいて欲しいことがあります。
それは、「出産そのものには医療保険が適用できない」ということです。
出産は病気ではないので、健康保険が適用されません。
健康保険が適用されないケースでは、医療保険も適用されないのです。
医療保険は、妊娠・出産時のトラブルにも適用できる
帝王切開や切迫早産の時の入院にも適用されますので、入院日数が長くなった場合などは、経済的にとても助かります。
特に高齢出産の場合は、妊娠中・出産時のリスクが高いと言われています。
妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、切迫早産、難産による帝王切開などの可能性も否定できません。
次の記事では、高齢出産の場合に特によくあるケースとして、帝王切開と医療保険についてまとめました。
よかったら、参考にしてください。
妊娠すると、医療保険に加入できないことも?
ただ、これは保険によっても違いますし、妊婦さんの既往歴(過去に帝王切開の経験があるなど)によっても違ってきます。
まず、加入できるかどうか?について、さっくりと分類してみると、
- 妊娠しているために保険加入を認めないケース
- 妊娠していても、妊娠27週まで(保険によって妊娠週数は異なります)は加入を認めるケース
- 妊娠週数に関わらず、保険加入を認めるケース
の3つのパターンがあります。
どのパターンになるのかは、保険によって規約が定められています。
一般的に1)や2)のケースが多く、3)のようなケースは少ないですね。
医療保険の適用範囲に制限がつくかどうか?
- 今回の妊娠・出産中のトラブルに関しては、医療保険を適用しない
- 「子宮」に関するトラブルについては保証対象外とする(部位不担保「ぶいふたんぽ」と言います)
- 数年間だけ、部位不担保を適用する
- 今回の妊娠・出産中のトラブルでも、医療保険を適用する
といったケースがあります。
4)のケースが最もありがたいですが、該当する保険はとても少ないですね。
また、これらの制限については、同じ保険でも、妊婦さんの既往歴(帝王切開、流産、早産、妊娠糖尿病など)によっても変わります。
自分の場合はどうなるか?を知るには?
上の分類だけ見ても、わかりませんよね。
実はこれ、保険を実際に申し込んだ後、「保険会社の審査部が判断するまでは、誰にもわからない」というのが実情です。
保険会社のホームページなどみると、ざっくりとしたことはわかります。
規約を公開している場合は、かなり細かい規定まで見れますが、それでも大雑把にしか判断できません。
保険会社の規約と、加入者の体の状態を見て、最後は保険会社が判断する・・・ということですね。