妊娠したら、1日350g!野菜宣言!
野菜に含まれるビタミンやミネラルは、三大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質の働きを支えます。
体の様々な器官の働きを調整してくれます。
ママの健康を守り赤ちゃんの成長を促すには、これらの栄養素が揃った食事を続けることが大切です。
《著者紹介》
工藤有希
2001年、日本大学短期大学部食物栄養科卒業後。栄養士として病院に勤務しながら管理栄養士資格を取得。その後、高齢者介護施設で管理栄養士として勤務し栄養ケアマネージメント等に従事。妊娠、出産を機に退職。現在は、育児の傍ら特定保健指導や健康アドバイザーとして活動中。妊娠中の体重増加や高血圧、子どもの便秘や度重なる体調不良を食生活で改善した経験から、栄養管理の重要性を再認識。これからも管理栄養士として、様々な方々のお役に立ちたいと勉強に育児に奮闘中です。
野菜摂取は良いことずくめ
野菜から十分な量のビタミンとミネラルを摂取するには、1日あたり350gが目安となります。
野菜はカロリーが低く食物繊維が多いので、量を増やしても体重増加は防げますし、便秘予防にもなります。
食物繊維は糖質や脂質の吸収を緩やかにして血糖値の急激な上昇を抑え、高齢出産でリスクの高くなる妊娠糖尿病を防ぐことができます。
また、野菜に含まれる食物繊維やカリウムは血圧の上昇も抑える効果も期待できます。
高齢出産において回避したいトラブル全般を予防してくれる力強い味方です。
注意したいのはいも類やごぼう、レンコンなどの根菜類です。
炭水化物を多く含みますので、葉物野菜を組み合わせるなど摂り過ぎに注意しましょう。
野菜350g摂取術
1日350gと言われても毎回計量するわけにもいきません。
目安は生野菜なら1食で両手山盛り一杯、加熱野菜なら片手山盛り一杯です。
色味が濃い緑黄色野菜100〜150g、色味が薄い淡色野菜200〜300gを目安に摂りましょう。
淡色野菜にはきのこや海藻類も加えて考えると良いでしょう。
きのこや海藻類は低カロリーでうまみ成分やミネラル、食物繊維をたっぷり含みます。
干し椎茸や乾燥わかめ、とろろ昆布などの乾物を常備すると便利です。
野菜摂取量を増やすコツ
外食では野菜料理の小鉢がついた定食や野菜の多い炒め物や麺料理を選ぶと摂取量を増やせます。
「野菜たっぷり」などのネーミングのメニューを選ぶと不足しがちな野菜を摂ることができます。
焼きそばやラーメンなどを作る時は麺が隠れるくらいの野菜を加えると良いです。
生野菜サラダは熱に弱いビタミンをそのまま補えるのが良いところですが、摂取量は少なくなります。
トマトなどの重量のある野菜を加えると摂取量が増えます。
また、汁物や鍋物など汁ごと食べると熱に弱いビタミンを無駄なく摂取できます。
食事の中に生野菜と加熱野菜の両方の料理が揃うことで、摂取量も増えビタミンやミネラルも十分補えます。
味わい方いろいろ!万能スープ 〜ビタミンを逃がさない!〜
熱に弱く水に流れ出やすいビタミンですから、洗ってから切る、長時間水につけておかない、強火でさっと炒めるといったことに気をつけると流失を防げます。
野菜は洗ったり、刻んだり、茹でたりと下処理に時間を要する場合もあります。
調理が負担になっては続けることがストレスになってしまいます。
簡単調理法を見つけておくと今後の離乳食作りにも役立ちますよ。
材料
- キャベツ・・・1/4個
- にんじん・・・中1本
- 玉ねぎ・・・1個
- しめじ・・・1袋
- えのき・・・1袋
- A水・・・800〜1000cc
- A塩・・・適量
- A黒胡椒・・・適量
作り方
- A以外の材料全てを小さめに切る。
- 1で切った材料を大きめの鍋に入れ水を半量入れ蓋をして煮る。
- 蓋が動き出したら少し蓋をずらし、30分ぐらい弱火で煮込み続ける。
- 仕上げにAを加え味を整える。
ゆっくり煮込むことで野菜のうまみが出ます。
ですので、塩と胡椒で美味しく食べられます。
多めに作り、残ったらカレー粉を加えてカレースープにしたり、トマト缶を加えてトマトスープにするなど、飽きずに召し上がれます。
また、妊娠初期にはブッロコリーやアクの少ない小松菜などを加えると葉酸が補えます。
便秘気味の時はごぼうやさつまいも、レンコンなどを加えると食物繊維がプラスされ便秘改善に役立ちます。
忙しい時は、野菜たっぷりの作り置きスープにごはんにと、納豆や卵をプラスすれば簡単にバランスの良い食事が用意できます。
時間のない朝や一人で食べる昼食などにとても重宝しますので是非活用してみてくださいね!