妊娠中の貧血に潜む危険性と対策を総まとめ
妊娠中の貧血に悩まされていませんか?
あるいは、たかが貧血だと思って無理をしていませんか?
妊娠中の貧血は、母体にも、そして胎児にとっても危険な症状なのです。
この記事では、妊娠中の貧血について書きました。
ぜひ参考にしてみてください。
妊娠中の貧血はなぜ起こるのか
妊娠中に起きる貧血は多くの場合鉄欠乏性貧血で、これは赤血球内にあるヘモグロビンの主成分である鉄が不足することで起こります。
では、何故妊娠中に鉄分が不足するのでしょうか?
妊娠中に鉄分が不足するのには2つの原因があります。
一つ目は、胎盤や赤ちゃんの血液を作るのに鉄分が必要だからです。
胎盤や赤ちゃんのために、ママの体から鉄分が使われるので、鉄分不足になります。
二つ目は、赤血球内のヘモグロビンを通して、胎内にいる赤ちゃんが酸素を補給しているからです。
鉄を主成分とするヘモグロビンが使われることによって鉄分不足になります。
妊娠中はおなかの中にいる赤ちゃんに栄養などを運びやすくするために通常時よりも血液量が増えます。
しかし、鉄分が不足する二つの原因によって赤血球内のヘモグロビン量はどんどん減っていきます。
つまり、ヘモグロビン量が減るのに血液量が増えるという状況になってしまいます。
そのために血液が薄まり、貧血が起きやすくなるのです。
妊娠中の貧血の症状
貧血に悩んでいる妊婦さんは全体の4分の1程度もいるとされています。
そして、貧血に悩む妊婦さんの多くは、通常の貧血同様めまい、立ちくらみ動悸などに悩まされています。
貧血が起こる目安としては、大体ヘモグロビンの濃度が11g/dLになると食事療法が必要になり、10g/dL程度になると錠剤が処方されるようになります。
また、ヘモグロビン濃度が10g/dL程度になると血中濃度が不足し、めまいや動悸疲れなどの自覚症状が起こりやすくなるとされています。
妊娠中の貧血は、元から貧血気味の妊婦さんは症状が重くなる可能性が非常に高くなるので、特に気を付けましょう。
出産時や赤ちゃんに対する影響は?
重度な貧血は出産時や生まれてきた赤ちゃんに大きな影響を与える可能性が非常に高いです。
貧血は決して軽視していい症状ではないのです。
妊娠時、特に妊娠後期の貧血は、出産時の血圧の低下を招きます。
その結果、出産中出血量が増え、意識を失ったり輸血が必要になったり、ひどくなると産後の回復が遅くなってしまいます。
血液から作られる母乳も貧血によって出が悪くなります。
また、重度の貧血による血中内の酸素不足は、母体の血液を通して酸素を得る胎児の酸素不足を招きます。
この酸素不足が胎児に影響を与え、赤ちゃんの発育に遅れが出たりします。
貧血への対策法
妊娠中の貧血に有効な対策法を挙げていきます。
まずは、食事内容に気を付けてみましょう。
植物性食品より動物性食品のほうが貧血には効果的であると言われています。
特に、レバーや赤身の肉などの鉄分や赤血球を作るのに欠かせないたんぱく質を含む食材は貧血対策になります。
(ただし、過剰摂取には注意して下さい。)
また、果実や緑色野菜に含まれるビタミンCは鉄の吸収をよくするので、合わせて摂取するといいでしょう。
しかし、鉄の吸収を妨げるタンニンを含んだお茶など、貧血治療にはよくない食品もあります。
そのため、まずは専門家の指導のもと食事療養に励むのがいいかと思います。
食事改善でも貧血が良くならない場合は、鉄分を含んだ錠剤を処方してもらい、それを服用するのも効果があります。
貧血を改善するために、妊娠中にどのような食事を摂ったら良いか?については、次の記事で、管理栄養士さんがアドバイスしています。よかったら参考にして下さい。