今国会は、マタハラ防止に向けて法整備が出来るか注目
1月22日、通常国会の首相方針演説で、「マタニティーハラスメント(マタハラ)」の防止措置を事業者に義務付ける考えが示されましたね。
安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」「希望出生率1.8の実現」の実現に向けて、マタハラに関してもようやく法整備が行われるようになるのであれば、とても嬉しいことです。
そこで、今回は、最近のマタハラへの対応策に関する政府の動きについてまとめておこうと思います。
厚生労働省のマタハラ関連の調査
厚生労働省は、2015年11月にマタハラに関するアンケート結果をまとめまています。
それによると、マタハラを経験したことがある女性の割合が、正社員で21.8%、派遣社員で48.7%、契約社員でも13.3%、パートで5.8%と、かなり多くなっていることがわかりました。
マタハラの内容としては、上司などから「迷惑だ」「辞めたら」など言われたケースが、47.3%と最も多く、解雇や雇い止めもそれぞれ20.5%、21.3%に上りました。
マタハラを受けた相手は、「直属の男性上司」が19.1%、「直属の女性上司」は11.1%、「女性の同僚や部下」が9.5%、「男性の同僚や部下」が5.4%となっています。
公的な調査でマタハラの実態が明らかになったことは大きな前進ですが、このあたりから、政府のマタハラ対策の動きが盛んに報道されるようになったようです。
昨年末〜年初にかけての、マタハラ防止に向けての動き
昨年の11月には、厚生労働大臣がマタハラ防止を目指していく趣旨の発言をし、12月には、厚生労働省大臣の諮問機関が、マタハラの防止策を企業に義務付けることなどを盛り込んだ育児・介護休業制度の報告書案を提示して、法案を通常国会に提出することを決めました。
この辺りの動きは、これまでの政府の動きと比べると早かったですね。
さらに年明けの1/11に日本経済新聞で、
政府がマタハラ防止を企業に義務付けるために、関連法案を改正する方針であること
2017年4月からの実施を目指していること
が一面に掲載されました。
そして、1/22の首相の施政方針演説で、マタハラ防止措置を事業者に義務づける旨が盛り込まれるに至っています。
何としても実現して欲しいマタハラ防止関連法案の成立
マタハラは、妊娠・出産への社会的な理解が進んでいないことが原因です。
これまで政府は、「少子化対策」を唱えても実際には動きは遅く、特に、「社会の理解を進める」という点に関しては後手に回っていた感が拭えません。
この関連法案が成立すれば、企業は嫌でも「マタハラ」に対して気を配ることになります。
義務化による認知は、社会の理解を進める段階には程遠いかもしれませんし、この法案だけで全てが解決するわけではありません。
ただ、社会全体が「マタハラ」に関心を持ってくれる契機になればと・・・夫婦が何の憂いもなく妊娠・出産に向かっていける社会になることを、切に願って止みません。