妊娠中は葉酸を積極的に!
「葉酸」は妊娠を希望する人、もしくは妊娠してからこの言葉を知る人も多いのではないでしょうか。
葉酸は、名前の通り「葉」に多く含まれるビタミンB群の一種で、細胞の新生や正常な赤血球の形成、神経細胞の生成や傷ついた遺伝子の修復などに働くことが知られています。
細胞増殖の盛んな胎児の健全な発育のために特に重要な成分です。
代表理事 岡田明子
全国500名の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のコンサルティング、セールスサポート、講演、研修、執筆などの健康事業の企業サポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。
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高齢出産と葉酸摂取
妊娠中から授乳期までの葉酸の推奨量は、妊娠中は480μg、授乳期は340μgです。
出典元:日本人の食事摂取基準 2015年版)
妊娠のごく初期に不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の危険性が高まることが知られ、注目されている栄養素です。
葉酸は、胎児の二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖症の予防をするために必要不可欠なビタミンなのです。
近年、二分脊椎症は増加傾向にあり「葉酸」不足が懸念されています。
そのため、厚生労働省では、妊娠を意識している女性に1日400μgの葉酸の摂取を推奨しています。
また、葉酸には、赤血球のもととなる赤芽球を作るのに関わりがあり、正常な赤血球を作るのに働くことで造血作用による母体の貧血や母乳の出を良くすることにも役立ちます。
食事から充分な葉酸をとるには
昔は今と比べて野菜の摂取量が多かったのですが、食事の欧米化、加工品の流通、外食の増加といった食生活の変化に伴い野菜の摂取量が減少しています。
妊娠中に1日350g以上の野菜の摂取をすれば葉酸を400μg以上摂ることが可能です。
しかし葉酸は水溶性で、茹でるなどの調理によって損失しやすい栄養素です。
加熱した時に流れ出てしまうので、スープにして煮汁ごと食べるのがおすすめです。
1日350gの野菜とは毎食、生の状態で両手一杯分、加熱した状態では片手一杯分をとり入れることが目安です。
そしてどちらも1/3程度は、トマトやブロッコリーなどの色の濃い野菜をとり入れましょう。
葉酸は体内に蓄積しにくいので、毎日の食事でこまめにとり入れることが大切なポイントです。
まずは普段のお食事に葉酸を多く含むものを摂り入れることから始めていきましょう。
葉酸が多く含まれる食材
- 豚レバー(80g)・・・648μg
- 鶏レバー(60g)・・・780μg
- ブロッコリー(1/4個 60g)・・・126μg
- ほうれん草(1/4束 60g)・・・126μg
- モロヘイヤ(1/4束 60g)・・・150μg
- グリーンアスパラガス(1/2束 60g)・・・114μg
- 枝豆(ゆで)40g・・・104μg
- 納豆(1パック 50g)・・・60μg
- いちご(1/4パック 90g)・・・81μg
レバーに多く含まれているので、焼き鳥の鶏レバーであれば2本程度で1日分の推奨量をとれてしまうのですが、レバーが苦手な方は緑色の野菜や枝豆、納豆などをこまめにとり入れていきましょう。
毎食、野菜を意識して揃えるのは大変なことですが、野菜をミキサーにかけて手作り野菜ジュースにして朝食や間食にとり入れたり、忙しい方は野菜たっぷりのスープを多めに作りストックしておくととても便利です。
外食時でも野菜の多いメニューや副菜の小鉢がいくつか揃った定食タイプを選ぶなど、野菜をとり入れる習慣を身につけていきましょう。
また葉酸は他の栄養素とも協力し合って働いています。
葉酸が充分にとれていても、他の栄養素がとれていないと意味がありません。
基本の食事バランスを大切にしながら葉酸を多く含む食材も意識していきましょう。
良かったら、次の記事も参考にしてくださいね。
妊娠中の食事 5か条とは?(戻る)