出生前診断のデメリットを考える。遺伝カウンセリングの利用も

出生前診断は、生まれてくる子供の染色体異常を調べる検査です。一番大切な事は、軽い気持ちで受けないということ。「思わぬ結果」が出てしまった時にはどうするるのかを考えてから受信することが何よりも大切です。この記事では、出生前診断を受ける前に知っておくべき事、考えておくべきことについて書いています。

出生前診断を「一応受けておく」という姿勢で受けるのはNG

一般的に、出生前診断の最初のステップは「母体血清マーカー検査」になることが多く、母体にも胎児にもリスクのない採血だけで出来るため、「とりあえず受けておこうか・・・」という判断で、気軽に受けてしまうケースも多いようです。

でも、この考え方はNGだと思ってください。

もし、「染色体異常の可能性が高い」という検査結果だったらどうしますか？

この部分を考えないまま、「気軽に」検査を受けてしまい、思わぬ結果に悩んでしまうケースは、けっして少なくないようです。

産むと言うことを決めた上で、

・生まれる前に胎児の健康診断をしておく
・もし染色体異常があった場合、予め心の準備をしておきたい

といったことであれば、問題ないのかもしれません。

でも、生まれてくる子供に障害があるかもしれない・・・と医師から告げられた場合、平常心でいることは難しいですよね。

産んだとしても育てられるだろうか？
という不安や、

産むことがこの子にとって幸せなのだろうか？
といった迷いが出てくるのが普通だと思います。

そして、ここで、産むのを諦めてしまう場合・・・これが、命の選別につながるのではないか？ということが問題視されているわけです。

医師は結果は伝えてくれるが、アドバイスはしてくれない

このように、診断結果によって胎児の命を左右しかねない出生前診断ですから、検査の実施には賛否両論あります。

医師は、「ダウン症の子供が生まれる可能性が1/100です」というよう診断結果を伝えてくれるものの、「ではどうしたら良いか？」ということについてはアドバイスをしてくれません。確定診断で「障害を持って生まれてくる可能性があります」と言われても、「どうすべきか？」についてはアドバイスをもらえません。

「患者さん自身が決めることですよ」というスタンスに徹している医師がほとんどのようです。

でも、私たち一般人からすれば、そんな確率を伝えられたところで、それをどう考えたらよいのか？ってわかりませんよね。だからこそ、予め「結果が出たらどうするか？」を決めてから受けたないと、とても悩むことになってしまうのです。

出生前診断を受けてから結論を出すまでの時間が少ない

一般的に出生前診断は、母体血清マーカー検査を行って、リスクが高いと判断された場合に羊水検査に進む場合が多いです。母体血清マーカー検査は妊娠15～21週で行い、結果が出るまで10日ほど、羊水検査は15～18週で行われ結果が出るまで2～4週間です。

問題になってくるのは
法律上、22週目以降は中絶手術が行えない
ということです。

そう考えると、羊水検査が終わって結果を聞いてから、結論を出すまでの時間は本当に短いことが分かると思います。

出生前診断を受ける場合は夫婦の合意が不可欠

出生前診断は、非常に重い検査です。しかも、医師からのアドバイスはもらえません。さらに、結果を聞いてから結論を出すまでの時間に制約があります。

だから検査を受ける前に、「～という結果だったら～しよう」と考えておかないとならないのですが、ここで最も大切なのは、
夫婦で話し合いをして結論を得ておく
ことです。

検査結果が出てから夫婦で意見が分かれてしまったのでは、どうにもならなくなってしまいます。しかも「どうするのか？」をいう結論を出すのに、十分な時間がないのです。

例え、夫が妊活に協力的でなかったとしても、ここだけは一緒に考えてもらわないとなりません。夫婦で納得できる結論を出さなければならないところです。

出生前診断は、遺伝カウンセリングが整った医院で

最近は、出生前診断にしっかりとした対応をする「遺伝カウンセリング」を行っている医院も増えているようです。

「遺伝カウンセリング」というのは、こういった遺伝に関する問題について、私たちの話を聞いてくれた上でサポートしてくれるサービスです。

検査結果だけ言われて、あとは自分達で考えなさい・・・では、どうしたら良いか分からないですが、こういったサービスがあればとても心強いです。妊娠後に通っている産婦人科とは別に通院しても、別に問題はないので、出生前検査をうけるなら、遺伝カウンセリングのサービスがあるクリニックを選ぶのも良いですね。