妊娠中に注意したい栄養素と食品
こちらの記事では、妊娠中に注意したい栄養素や食品をまとめてご紹介いたします。
代表理事 岡田明子
全国500名の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のコンサルティング、セールスサポート、講演、研修、執筆などの健康事業の企業サポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。
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高齢出産では、塩分の管理がとても大切
塩分は、女性では1日に7g未満が摂取基準です。
塩分の取りすぎは血圧を上昇させ、母体にも赤ちゃんにも負担がかかります。
高齢出産は胎児や母体への影響が大きく、病気のリスクも高まることからしっかりとした食事の管理も必要です。
和食が健康的で良いというのはもちろんなのですが、意外と塩分がアップしがちです。
お味噌汁1杯で約1.8gの塩分を含み、さらに漬物小皿1つで約1g、塩干魚1切れで約1gなど、積み重なればすぐに1日の基準をオーバーしてしまいます。
以下のような工夫をすることで、塩分を減らしましょう。
- 加工食品、外食は控えめに
- 食卓にしょうゆやソース、塩などを置かない
- 塩を控え酸味や香り(レモン、すだち、酢など)を利用する
- だしを濃いめにとる
- 汁物は調味料を控え野菜やきのこ、海藻類などをたっぷり使用する
- カリウムを多く含む食材を摂る(野菜、果物、納豆など)
マグロや金目鯛は、食べる頻度に注意して
近年、魚介類からの水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされ、厚生労働省からも「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」が出されました。
ただし、魚介類には赤ちゃんにも必要な、DHAなどの良質な油が含まれているので魚介類を摂ることは必要です。
妊娠中の摂取目安は、メチル水銀を比較的多く含むマグロ・金目鯛・めかじきなどを食べるのは週1回程度とし、水銀が少なくDHAを豊富に含むサバやイワシなど小魚を中心に摂取するのが望ましいとされています。
ひじきを食べるのは、週に2回程度・小鉢一杯までが目安
ひじきは、鉄分をはじめとする栄養素が豊富なので多く摂取しがちな食材ですが、英国で「ひじきは有害な無機ヒ素が含まれるので注意が必要」という勧告がありました。
ひじきに含まれているヒ素の量は、乾燥ひじき1kgに総ヒ素82.5mgが(有機ヒ素19.4mg、無機ヒ素63.1mg)含まれています。
しかし、ひじきは乾燥状態のまま食べるものではなく水に戻してから、あるいは茹でてから食べます。
その際に水にヒ素が溶け出すため、実際にひじきに含まれるヒ素の量は少なくなります。
厚生労働省の調査では「体重50kgの人が1日4.7g以上連続して食べなければ問題ない」としており、週に2回程度、小鉢1杯くらいの量であれば問題ないとされています。
ビタミンAを摂るなら、レバーよりも緑黄色野菜を中心に!
ビタミンAは2種類存在し、レバーやうなぎに多く含まれる動物性由来の「レチノール」と緑黄色野菜に多く含まれる植物性由来の「β-カロテン」があります。
妊娠中に摂取を控えたいのは動物性の「レチノール」の方です。
ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、体内に蓄積しやすく妊娠中にレチノールを摂り過ぎると胎児の奇形の発生率が高くなることが報告されています。
レバーは鉄分が豊富なので多く摂り入れがちですが、ビタミンAも多く含まれているので焼き鳥のレバー串であれば週1回1本(30g)程度が目安量です。
しかし、ビタミンAは胎児の発育にも必要な栄養素なので、人参やかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜を中心に摂り入れていきましょう。
高齢出産の方に特に多いのが、サプリメントなどで必要以上に摂りすぎてしまうケースです。サプリメントの摂取量にも気をつけましょう。
免疫が落ちている妊娠中は、生食を避ける
妊娠中は免疫が落ちていますので「生食」は避けた方がよいでしょう。
魚介類の生食や生卵は食中毒の心配があります。
その他、生肉や非加熱のチーズ、サーモンなども食中毒や感染を起こす菌が潜んでいますので注意しましょう。
次の記事も参考にしてください。
妊娠中の食事 5か条とは?(戻る)