妊娠生活でビタミンB群の役割が大切な理由とおすすめ食材
妊婦と胎児のためにはビタミンB群は欠かせない栄養素のひとつです。
ビタミンB群は、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質の代謝やエネルギー生成に欠かすことができない栄養素なので、胎児の発育、妊婦の疲労回復や神経の働きを正常に保つことにも役立ちます。
ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類があります。
それぞれが独自の働きを持ちながら、互いに協力しあうことで力を発揮する性質がありますので、「ビタミンB群」とまとめて扱われることが多いのです。
ビタミンB群の中でも妊娠と特に関わりが深い4種類をご紹介いたします。
代表理事 岡田明子
全国500名の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のコンサルティング、セールスサポート、講演、研修、執筆などの健康事業の企業サポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。
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ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えるのに必要で、糖質を栄養源として使っている脳神経系が正常な働きをすることにも関与しています。
慢性的に不足すると眼球運動障害、意識障害などの症状が見られるウェルニッケ脳症をきたすことがあります。
妊娠悪阻で、頻回に嘔吐することにより欠乏症となることもありますので注意が必要です。
ビタミンB1は、穀類に多く含まれていますが、精製度が高い精白米などにはあまり多く含まれていません。
玄米の皮には、体内のミネラル成分(鉄分、カルシウムなど)と結合して体外へ排出するフィチン酸が含まれていますので、表皮の部分を少し除くよう五分付き程度に精米したり、白米に雑穀米をブレンドしたりすることで白米よりもビタミンB1を多く補えます。
また、豚肉やピスタチオ、胡麻、くるみなどの種実類にも多く含まれています。
つわりで食欲がない時は小さめのおにぎりを作り、食べられる時に摂取できるように常備しておくのも良いでしょう。
ゴマにもビタミンB1が多く含まれますので、シンプルに「ゴマ塩おにぎり」などもお勧めです。
豚挽肉で肉味噌を作って常備しておくと、そのままご飯のおかずにしたり、麻婆豆腐や担々麺などの料理に使えるのでとても便利です。
ビタミンB2
細胞の発育、すなわち胎児の発育のために必要な栄養素です。
レバーやうなぎのかば焼き、納豆、牛乳・乳製品、卵に多く含まれています。
主菜には肉や魚の他に卵、納豆、乳製品をバランスよく摂取できるように日々の献立を考えていきましょう。
ビタミンB6
ビタミンB6は、3食バランスよく食事をとっていれば不足する心配はありません。
しかし、妊娠中は不足するとつわりが重くなる場合もあるので、少し多めにとりたい栄養素です。
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝不良を調整してくれますので、妊娠初期のつわりを緩和する効果があるといわれています。
ビタミンB6を活発に働かせるためにはビタミンB2が必要です。
せっかくビタミンB6を摂っても、ビタミンB2が不足していると、ビタミンB6が効力を発揮しないまま体外へと排出されてしまいます。
胎児の脳神経の発達にも関係しますので、積極的に摂りたいビタミンのひとつです。
肉や魚、バナナ、ナッツ、大豆、コーンミールなどに多く含まれています。
バナナヨーグルトやコーンミールを含むイングリッシュマフィンを卵サンドにすると、ビタミンB2とB6を一緒に摂ることができます。
ビタミンB12
葉酸や鉄分の合成を助ける働きがあります。
魚介類、肉、牛乳などの動物性食品に多く含まれています。
高齢出産では特に胎児の先天性の異常が起こるリスクが高くなりますので、葉酸とビタミンB12を一緒に摂りましょう。
また貧血予防のためにも鉄分とビタミンB12を組み合わせて摂ることも大切です。
タンパク質とビタミンB12を多く含む肉や魚を使った主菜、葉酸や鉄分を多く含む野菜類や海藻類を使った副菜を揃えることで効率よく補えます。
ビタミンB群はチームで働いているので、肉や魚、卵などの動物性食品と野菜、海藻類などの植物性食品をバランスよく毎日の食事に摂り入れていきましょう。
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妊娠中の食事 5か条とは?(戻る)