母体血清マーカー検査・オスカー(oscar)検査について
出生前診断で、まず最初に行われることが多いのが、
- 母体血清マーカー検査
- オスカー検査(母体血清マーカー検査+NT検査)
のどちらかですね。
どちらも胎児の染色体異常の確率検査であって、「確定」検査ではありません。
そのため、この検査で染色体異常のリスクが高い場合は、羊水検査や絨毛検査を勧められることもあります。
母体血清マーカー検査とは何か?
母体血清マーカー検査は、母親の体から採血して、その中の成分を検査することで染色体異常の確率を調べるものです。
中でも、血液中の4つの成分で検査を行う「クワトロテスト」が最も有名です。
検査でわかることはどんなこと?
このテストでは、子供に染色体異常が発生する「確率」を知ることが出来るのですが、中でも
- 21トリソミー/ダウン症候群
- 18トリソミー/エドワード症候群
- 開放性神経管奇形
の3つの染色体異常について、それぞれの確率が分かるものです。
そしてそれぞれの確率が、
- 21トリソミー/ダウン症候群 1/295 以上
- 18トリソミー/エドワード症候群 1/290 以上
- 開放性神経管奇形 1/100 以上
の場合に、「陽性」とか「ポジティブ」という判定となり、平均よりもリスクが高いという診断になるようです。
費用は2万円くらいで、採血しか行わないので、母親にも胎児にも全くリスクはありません。
出来るだけ早い時期に検査を受けることが大切
気を付けないとならないのが、検査を受ける時期なんです。
もし母体血清マーカー検査で陽性となってしまい、染色体異常のリスクが高いと判断された場合に、夫婦の考え方によってですが、「羊水検査」や「絨毛検査」」といった確定診断に進む可能性が出てきます。
- 母体血清マーカー検査は、15~21週で検査を行い、検査結果が分かるまで10日ほどかかります。
- 羊水検査は結果が出るまで、さらに2~4週間かかります。
- そして、日本の法律では妊娠22週以降の中絶手術は認めていません。
もし、羊水検査や絨毛検査を行って、染色体異常の診断が下されたら、とても悩むと思います。
さらに、人によっては、出産を諦めるかもしれませんね。
妊娠21週までに、検査と判断をしないとならないということを予め理解した上で、出生前検査を受けないとなりません。
OSCAR オスカーを導入する医師が増えている
母体血清マーカー検査に代わって、最近取り入れられ始めているのが、OSCAR オスカーというものです。
これは、 母体血清マーカー検査とNT検査を組み合わせることで、
- 11週4日~13週6日という早い時期に検査できる
- 検査を1日で済ませることが出来る
- 異常が見つかる確率が高くなる
といったメリットがあります。
※NTというのは胎児の首の後ろのむくみのこと。
超音波検査でNTを測ることで、染色体異常を判断することが出来ます。
出生前診断に力をいれているクリニックや、出生前診断の専門医では積極的に取り入れているところも多いようなので、一度調べてみると良いかもしれません。