帝王切開 | 初めに知っておきたい4つの事
また、通常分娩に比べて、どのくらい費用が増えるのか不安になったりしませんか。
高齢出産で、帝王切開のリスクが高いと言われたりしていませんか。
現在、新生児の約20%が帝王切開で生まれてくると言われています。
決して特殊なことではありません。
コスト面は、ほとんどが出産育児一時金と健康保険でカバーできますし、民間の医療保険を使えば、おつりが出ることすらあり得ます。
ただ、高齢出産になると帝王切開になる可能性が大きくなるというのは確かで、35歳未満で帝王切開を行った人は15%前後なのに対して、35歳以上の場合は45%前後の人が帝王切開を行っているというデータもあります。
帝王切開の可能性は誰にでもあります。
緊急で帝王切開をしなければならないこともあり得ます。
しっかりと事前に知識を備えて、心の準備をしておくことが大切ですね。
帝王切開とは?
ところが、何らかの事情で、膣を通って母体の外に出てくることが難しい場合、腹部と子宮を切開して胎児を取り出すことがあります。
これが帝王切開です。
現在では、全体の5分の1が帝王切開で生まれてくるそうです。
帝王切開では、部分麻酔による方法と全身麻酔による方法があって、どちらになるかは患者の状況によって医師が判断します。
帝王切開をするのはどんな時?
予定帝王切開と緊急帝王切開
予定帝王切開は、予め医師から「~の理由で、帝王切開しましょう」という話があり、予定にしたがって帝王切開するケース。
緊急帝王切開は、自然分娩の予定だったものの、何らかの事情で、急きょ帝王切開をするケースです。
予定帝王切開になるケース
まずは、骨盤位の場合、いわゆる逆子の場合です。この場合は、100%帝王切開になります。
骨産道(骨盤の内側)に対して胎児の頭が大きい場合にも、胎児が体外に出ることが難しいので、帝王切開になります。
また、以前の出産で帝王切開を行ったことがある場合、子宮筋腫などで子宮の手術を受けたことがある場合も、帝王切開になる可能性が高いです。
予定帝王切開の中で最もリスクが高いのが「前置胎盤」と呼ばれるもの。
前置胎盤とは、母体と胎児をつないでいる胎盤が、子宮の入り口を覆うようにできてしまっていることで、赤ちゃんが外の出ようとすると、胎盤が切れて大量出血してしまいます。
緊急帝王切開になるケース
・中々胎児が出てこない
・へその緒が胎児の首に巻きついている
といった状況になると、緊急帝王切開で、胎児を救出する必要が出ます。
また、母体の体力が陣痛に耐えられない場合や、微弱陣痛(陣痛の持続時間が短いこと)が長引いた場合は、正常な分娩が行われない可能性が大きくなるので帝王切開になります。
深刻な状況になりやすいものとしては、常位胎盤早期剥離と妊娠高血圧症候群があります。
常位胎盤早期剥離とは、胎盤の位置は正常なんですが、出産より前の段階で胎盤がはがれてしまう状態です。
胎児は、胎盤を通して、母体から酸素や栄養分をもらっていますから、胎盤がはがれてしまったら、胎児は生きていることが出来ません。
そのため、すぐに帝王切開で母体から取り出してあげないと危険なわけです。
妊娠20週以降に、急激に血圧が上がる症状を妊娠高血圧症候群と言います。
妊娠中に血圧が上がると、母子ともに命が危険になるため、緊急入院することも多いです。
入院して経過を見ながら、必要があればすぐに帝王切開をして胎児を救うことになります。
高齢出産で帝王切開が多くなる理由は?
35歳以上で出産する人の45%が帝王切開をしている
前にも書きましたが、35歳以上で出産する人の45%前後が帝王切開をしています。
では、なぜ、35歳以上の人に、帝王切開のリスクが高くなるのでしょうか?
産道が固くなり、経膣分娩が難しくなる
そうなると、胎児が体外に出辛くなってしまし、お産が長引き、出血量も増えることになります。
また、高齢になるほど母親の体力が、陣痛に耐えられなくなってしまう可能性もあります。
もしお産が長引けば、母子ともに危険な状態になりますよね。
そのため、これらのことが心配される場合には、予定帝王切開を行うことが多いようです。
妊娠高血圧症候群になりやすくなる
一般に、年齢が上がるほど、血圧は上がりやすくなります。
特に妊娠中は体に負担がかかりやすく、胎児がいるため血液量も多くなっていて、血管への負担もかかりやすくなります。
妊娠高血圧症候群になると、降圧剤で血圧を落ち着かせるのが基本ですが、休息を十分に取って、食事の塩分を控えないとなりません。
それでも血圧が下がらない場合は、入院になります。
入院して経過観察しながら、胎児または母親の心拍数などに異常があったら、すぐに帝王切開できる体制をとることになります。
妊娠糖尿病になると胎児が大きくなりすぎることがある
妊娠糖尿病の場合は、必ずしも帝王切開になると言うわけではありません。
ただ、胎児が通常よりも大きくなって、4,000g以上になる可能性があります。
この場合は、経膣分娩が難しくなるので、帝王切開を行うことになります。
帝王切開の入院期間と費用
もちろん、個人差はありますし、帝王切開前の入院期間は、どんな症状があったのかによって変わります。
帝王切開でかかる費用は、分娩・入院費と合わせて50~70万円になることが多いです。
そのうち出産育児一時金が42万あるので、退院時に産院の窓口に支払う金額は、かかった費用から42万円を引いた残金になります。
※出産育児一時金は、健康保険から出産時の費用を援助してもらえる制度です。
出産育児一時金のおかげで、支払う金額はかなり減りますが、それでも多少の出費は覚悟しないとなりません。
そこで、医療保険の活用を是非検討してみて下さい。
帝王切開は、医療行為とみなされるため、健康保険が適用になります。
そのため、同時に、民間の医療保険の給付対象にもなるのです。
入院1日あたりにつき、5,000円、10,000円・・・など自分が設定した給付金を支払ってもらえますから、その金額はかなりのものになりますね。
帝王切開になった場合、結果的に、かかった費用以上に給付金額が支払われて、黒字になる例も多いです。
帝王切開と保険の話は、次の記事に詳しく書いています。
よかったら参考にしてみて下さい。
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