切迫早産になったら?高齢出産で知っておきたい5つのポイント
切迫早産では、生まれてくる赤ちゃんのこと、ママ自身の体のこと、入院にかかる期間のこと・・・不安なことがたくさんあると思います。
特に初めて経験する時には、医師の説明が飲み込めなくて困ってしまうこともあるでしょうね。
また、高齢出産では、切迫早産のリスクが高くなるとも言われています。
この記事では、切迫早産になった時に知っておきたい、切迫早産に関する知識をまとめてみました。
よかったら参考にしてくださいね。
1. 切迫早産とは
2. 切迫早産の兆候
3. 切迫早産の原因
– 感染症は、切迫早産の原因としては最も多い
– ストレスは切迫早産の原因に
– 子宮頸管無力症
– 高齢出産でのリスク
4. 切迫早産の予防をする方法は?
5. 切迫早産の時の治療法は?
6. 切迫早産で自宅安静になった場合の過ごし方
7. 切迫早産で入院する基準は?
8. 切迫早産での退院のタイミングと、退院後の生活
切迫早産とは
切迫早産とは、妊娠22週~37週未満に赤ちゃんが生まれかかってしまうこと。
37週以降になる前に、通常子宮口が開いてしまったり、子宮の収縮が始まってしまったりして、赤ちゃんがママの体の外に出そうになっている状態です。
妊娠6ヶ月以降なので、通常は安定期に入っています。
でも、35歳以上の高齢妊娠では、安定期でも油断が出来ないのも事実。
色々なことが原因になって、赤ちゃんが十分に育っていないのに生まれそうになってしまうことがあるのです。
ただ、切迫早産になったからと言って、必ずしも早産になるわけではありません。
安静にして適切な治療をすれば、赤ちゃんはママのお腹の中にいられます。
そのためには、予防・早期発見・適切な対応がポイント。
赤ちゃんが十分にお腹の中で育ってから産めるように、出来る限りのことはしましょうね。
ちなみに、切迫早産になったことが原因で、赤ちゃんに何らかの障害が残ると言ったことはありません。
切迫早産の兆候
切迫早産の兆候として気をつけたいのは、
- おりもの
- お腹の張り
- 出血
- 胎動の減少
の4点です。
粘り気のあるおりもの、血液の混じったおりものが増えると、切迫早産の兆候であることがあります。
特に、悪臭がしたり、水っぽいと破水の可能性もあるので、すぐに産院に連絡しましょう。
また、いつもと違う、継続的なお腹の張りや痛みが出て、休んでも治らない場合にも注意。
恥骨が痛い、腰のあたりがだるいといったことが、切迫早産の兆候になることもあります。
出血については特に気をつけましょう。
少量でも出血があれば要注意ですが、特に鮮血は緊急性が高いです。
胎動が急に減った時は、赤ちゃんが元気がなくなっているかもしれません。この場合も切迫早産の可能性があります。
切迫早産の原因
では、切迫早産の原因は何でしょうか?
なぜ、切迫早産になってしまうのでしょうか?
実は、切迫早産の原因のほとんどは、実はママ側にあります。
感染症は、切迫早産の原因としては最も多い
切迫早産の原因として最も多いのが、細菌に感染することなんです。
感染症になると、子宮口が柔らかくなって開いてしまったり、破水してしまったりするので、切迫早産の原因になります。
では、なぜ感染症になるのか?というと・・・単純に局所が衛生的になっていなかった場合に加え、セックスが原因の場合もあります。
妊娠中はママの免疫力が低下しているので、体液に含まれている雑菌がママの体内に入ってしまいやすいのです。
ストレスは切迫早産の原因に
過労や精神的なストレスは、仕事をしているママには付き物。
でも、このストレスが切迫早産の原因になることがあります。
ただし、仕事そのものや、運動のような体を動かすことが引き金になることはありません。
大切なのは、心のケア。
上手に気分転換をして、リラックスする工夫が大切になりますね。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症というのは、生まれつき子宮頸管の筋力が弱い人がなりやすい症状です。
子宮頸管の筋力が弱いために、大きくなった赤ちゃんを支えきれずに、赤ちゃんの重みで子宮頸管が緩みだしてしまうのです。
こういった場合は、子宮頸管をテープの糸で縛って、子宮口が開くのを防ぐ方法が一般的なようですね。
そうして妊娠を継続させ、正期産の時期に入ったら糸を取り除いて、通常分娩を待つことになります。
子宮頸管無力症は、自覚症状が無いため、妊婦健診をしっかりと受けておくことが大切になります。
高齢出産でのリスク
35歳以上で妊娠している場合、特に初産となる高齢出産の場合は、切迫早産になりやすい言われています。
また、高齢出産で発症の可能性が高い「妊娠高血圧症候群」になると、子宮内の環境が悪くなって子宮収縮が起こりやすくなります。
そのため、切迫早産のリスクが高くなりますね。
その他にも、羊水過多、多胎、子宮筋腫、前置胎盤といったものや、糖尿病・高血圧・心疾患・甲状腺疾患などの症状が元々あって妊娠して「合併症」になっている場合も、切迫早産に注意が必要です。
切迫早産の予防をする方法は?
切迫早産の主な原因は、
- 感染症
- 子宮頸管無力症
- ストレス
の3つです。
では、これらの原因を作りださないためには、どのようにするのが良いのでしょうか?
予防方法のポイントは以下の4つです。
- 排便時のケア
- セックスの時のコンドーム
- 妊婦健診をしっかりと受ける
- 気分転換を大切にする
感染症を防ぐためには、局所を清潔に保つように心がけないとなりません。
中でも、排便時とセックスの時は気をつけて。
排便時には、前から後ろに拭くことで、膣から細菌が感染するのを防ぐことが出来ます。
また、セックスの時に、パパの体液に含まれている雑菌がママの体内に入ることは避けたいところ。
必ずコンドームをつけるようにしましょう。
また、子宮頸管無力症は、本人の自覚症状がありません。
そのため、見つける唯一の方法は、妊婦健診だけです。
妊婦健診をしっかりと受けておくことで、事前の対処ができるのです。
そして、ストレスをためない工夫も大切。
ストレスが無い生活・・・は理想ですけど、現実問題としてはそれは無理。
なので、出来る範囲で構わないので、ストレスを発散したり、リラックスしたりするタイミングを、1日に1回は持つようにしましょう。
切迫早産の時の治療法は?
切迫早産になった場合は、できるだけ横になって安静にすることが一番大切です。
そのため、医師に診てもらった後、自宅で安静にするのが難しい場合や症状が重い場合は入院することになります。
切迫早産の場合に使用する薬は、主に、子宮の収縮をおさえる「子宮収縮抑制剤」と、細菌からママを守って炎症を抑える「抗生物質」の2種類。
子宮収縮抑制剤は、ウテメリン、マグネセントといった薬が点滴されることが多いようで、お腹が強く張る場合はこういった対処になります。
抗生物質は、炎症を抑えて子宮収縮を抑制するのに使われます。
また、破水した場合は、細菌感染を防ぐために抗生物質が処方されます。
切迫早産で自宅安静になった場合の過ごし方
切迫早産になった場合、最も大切な事は安静にすること。
これは自宅安静であっても入院安静であっても、全く変わりません。
ただ、切迫早産の程度によって、医師から「どの程度安静にするか?」の指示内容は変わります。
まずは、医師の指示に従うことが大切ですが、ここでは、一般的な自宅安静の過ごし方をまとめていきます。
まず、外出はNGです。
安静にするわけですから、これは当然。
ただし、切迫早産の程度によっては、近所への買い物がOKのこともあるようですね。
家の中であっても、やって良いことは限られます。
まず、家事は基本的にはNG。
これは、かがんだり、背を延ばしたりといった動きがお腹に負担をかけるためですね。
階段の上り下りも、もちろんNG。階段の上り下りは、陣痛を促進するために医師が勧める運動です。
また、上の子がいる場合も、今まで通り面倒を見るのは避けましょう。
出来るだけパパやシッターさん、周りの人の力を借りて、切迫早産を乗り切ることを優先して。
車については、運転だけでなく乗車することも避けましょう。
これは、車の振動が刺激になるためです。
さらに、セックスには気をつけて。
安静にしなければいけないのも理由の一つですが、精液には子宮収縮を促すホルモンが含まれているのです。
そのため、セックスは禁止になります。
切迫早産で入院する基準は?
切迫早産で入院になるのか 自宅安静になるのかの基準は、以下のようなものが指標になるようですね。
- 出血が継続的か?出血が多いか?
- お腹の張りが強いか?頻繁か?
- 早い時期から子宮口が開いているか?
- 早い時期から子宮頸管が短くなっているか?
上の子がいて、自宅安静が出来ない場合も入院になるようですね。
また、治療効果が出ずに子宮口が開き始めてしまったら、そのまま分娩・出産になることも。
その場合は、受診した産院にNICU(新生児集中治療室)が無い場合は、転院になる場合もあるので、予め確認をしておいた方が良いですね。
切迫早産での退院のタイミングと、退院後の生活
切迫早産の場合は、赤ちゃんがママのお腹の中にいられるように出来る限りのことをします。
できれば30週~35週まではお腹の中にいられるようにするため、長期入院になることもありえますから、この場合、なかなか退院とはいきません。
退院は、出血が止まる・お腹の張りが無くなるなど、切迫早産の症状が改善してからです。
ただし、退院後の生活も色々な制限が付くケースも。
一般には、自宅安静になることが多くて、退院してから、薬を飲まないとならないケースもあります。
退院後の生活についても、切迫早産の程度によって医師が判断しますから、必ずその指示にしたがうようにしましょう。
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