必見!妊娠中、脂質だって強い味方

脂質は体重増加の原因になりますが、適量ならよい働きをしてくれます。
バランスよく食事に取り入れましょう。


《著者紹介》
Fotolia_74568924_XS工藤有希
 2001年、日本大学短期大学部食物栄養科卒業後。栄養士として病院に勤務しながら管理栄養士資格を取得。その後、高齢者介護施設で管理栄養士として勤務し栄養ケアマネージメント等に従事。妊娠、出産を機に退職。現在は、育児の傍ら特定保健指導や健康アドバイザーとして活動中。妊娠中の体重増加や高血圧、子どもの便秘や度重なる体調不良を食生活で改善した経験から、栄養管理の重要性を再認識。これからも管理栄養士として、様々な方々のお役に立ちたいと勉強に育児に奮闘中です。


体の内側から潤いを

脂質は水を弾き、細胞の水分を適量に保つ働きをします。
その性質によって肌の潤いが保たれ、妊娠線の予防効果が高まります。

体の冷えを改善してスムーズな出産を

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妊娠中はホルモンバランスが崩れたり、骨盤に負担がかかって血行が悪くなり冷えやすくなります。

脂質には体温保持効果がありまので、冷えを予防してくれます。
体の冷えを防ぎ筋肉も柔らかくなることで、出産時の体勢がとりやすく子宮口の開きも良くなり難産を回避できます。

実は脂質には便秘予防効果も

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妊娠中は子宮が腸を圧迫したり、水分が赤ちゃんにまわり腸内が水分不足のため便秘になりがちです。

食物繊維や水分の摂取も必要ですが、それに加えて脂質をとりましょう。
脂質が潤滑油の役割を果たし、便秘予防にも効果があります。





動物性脂肪と植物性脂肪

脂質には動物性、植物性があります。2つの特徴をご紹介します。

動物性脂肪

Meat products including ham and sausages isolated on white

身体活動のエネルギー源となります。
牛乳、乳製品、肉類が代表的です。
洋菓子にも含まれます。

飽和脂肪酸を多く含み、溶けにくく多くは常温で固体です。

肉類には妊娠中に必要なタンパク質などが含まれますが摂り過ぎは体重増加の原因にもなりますので、脂肪分の少ない赤身肉を選んだり、調理の際には脂身や皮の部分を取り除いたり下茹でしたり、脂質を減らす工夫をしましょう。

植物性脂肪

sesame oil

調味油の菜種(キャノーラ)油、ごま油、オリーブオイルなどサラサラした液体が多いです。

魚の脂も含まれます。
魚の脂は動物性脂肪だと思われがちですが、そうではありません。
不飽和脂肪酸といって、肉の脂とは性質が異なります。

体温でも溶けやすくサラサラしており、血液中で固まる心配もなく血流に悪影響を及ぼす心配はありません。

青魚の脂には赤ちゃんの脳の発達にとって大切なDHAや血流をスムーズにしてくれるEPAが含まれます。
赤ちゃんに栄養が行き渡りますし、血流が安定して冷えを予防できます。
高齢出産では特にリスクの高くなる妊娠高血圧症の予防につながります。

植物性油脂や魚の脂は酸化しやすく、調理後は早く食べることが基本です。
新鮮な魚を選び、抗酸化作用が高い緑黄色野菜と一緒に摂ることで良質な脂が効率よく吸収されます。

切り干し大根の中華サラダ

抗酸化物質を含む「ごま油」を使った簡単レシピをご紹介します。

材料(2人分)

  • 切り干し大根(乾燥状態)・・・20g
  • しめじ・・・20g
  • 人参・・・・30g
  • ごま油・・・小さじ1 (A)
  • 醤油・・・小さじ1 (A)
  • 青のり・・・大さじ1 (A)
  • すりごま・・・大さじ1/2 (A)
  • 切り干し大根の戻し汁・・・大さじ2 (A)

作り方

  1. 切り干し大根は15分程度水で戻す。この戻し汁は大さじ2杯とっておく。食べやすい長さに切り、たっぷりの熱湯でさっとゆがく。
  2. しめじはほぐし、人参は細めに食べやすい長さに切る。
  3. しめじと人参は電子レンジ600Wで5分加熱する。(容器と蒸気が熱いので注意しましょう)その後、冷ましておく。
  4. (A)の材料を大きめのボウルに混ぜ合わせておく。
  5. 3が冷めたらボウルに、切り干し大根と加え混ぜ合わせる。

青のりとしめじは脂質をエネルギーに変えるビタミンB2を含み、人参は油と摂ることで吸収が良くなる脂溶性ビタミンを含みます。
ごまにはカルシウムが豊富に含まれ、切り干し大根は鉄分や食物繊維などを含み、乾物ですから長期保存も可能で、常備しておくと便利です。

さっぱりしているので、つわりがひどい時にもおすすめです。

さっと茹でることで歯ごたえが残って噛む回数が増えますので食べ過ぎ防止にもなります。
副菜として食事に取り入れてみてくださいね。

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