妊娠中に、糖分と上手に付き合う方法!
糖分は脳や体を動かすためのエネルギーとして必要なものです。
一方で、摂りすぎると、高齢出産で特にリスクの高まる妊娠糖尿病や妊娠高血圧症が心配されます。
満足を得ながら、適度な量を上手に摂り入れていきましょう。
《著者紹介》
工藤有希
2001年、日本大学短期大学部食物栄養科卒業後。栄養士として病院に勤務しながら管理栄養士資格を取得。その後、高齢者介護施設で管理栄養士として勤務し栄養ケアマネージメント等に従事。妊娠、出産を機に退職。現在は、育児の傍ら特定保健指導や健康アドバイザーとして活動中。妊娠中の体重増加や高血圧、子どもの便秘や度重なる体調不良を食生活で改善した経験から、栄養管理の重要性を再認識。これからも管理栄養士として、様々な方々のお役に立ちたいと勉強に育児に奮闘中です。
必見!甘いものが食べたくなったら・・・
妊娠後期に入ると赤ちゃんに必要となる糖分が多くなり、それまで以上に赤ちゃんに糖分が送られます。
そのためママは糖分不足となり、甘いものを食べたくなる傾向があります。
糖分は、チョコレートなどの菓子類よりも、妊娠中に必要なそれ以外の栄養素も含んだ果物や乳製品から摂るのが理想です。
しかし、我慢することはストレスにもなりますので、お菓子は楽しみとしてたまに食べるようにすると良いでしょう。
また、ノンカロリーの温かい飲み物を一緒に摂ることで満足感が得やすくなります。
体にやさしいおやつ
糖分と脂質でできている洋菓子類は要注意です。
チョコレートや生クリーム、パイ生地が含まれるものはさらにカロリーが高くなってしまいます。
特別な日に小ぶりなものを食べるようにしましょう。
果物やドライフルーツなども糖分を含みますが、洋菓子類とは異なり、ビタミンやミネラル、食物繊維も含んでいます。
とはいえ、糖分量は多めですので、カロリー表示を確認して食べる量を調整しましょう。
無糖のヨーグルトと和えたり、牛乳とミキサーにかけてジュースにしたり、ゼリーにすることで果物も楽しむことができます。
また、和菓子などに含まれる小豆には食物繊維が多く含まれます。
食物繊維は糖の吸収を緩やかにしてくれます。
こしあんよりもつぶあんを選ぶと小豆の皮の部分に含まれる食物繊維をより多く摂取できます。
しかし、果物や和菓子にも糖分が含まれることにはかわりありませんので、食べ過ぎないことが大切です。
乳酸菌飲料、野菜ジュース、スポーツ飲料、抹茶ラテ、甘いココアなどの飲料にも糖分が多く含まれます。
水分は体内への吸収が良いので要注意です。
食事の前に摂ると、糖分が満足感を与え、食事がおろそかになってしまいます。
バランスの良い食事をとった後に、甘いおやつや飲み物を嗜みましょう。
糖分と妊娠糖尿病・妊娠高血圧症の関係
ご飯やパンなどの炭水化物は体内で分解されブドウ糖と呼ばれる糖分となり、脳のエネルギーとして使われます。
しかし、菓子類や清涼飲料水に含まれる糖分はそのまま体内に吸収されてしまいます。
そのことで血糖値の急激な上昇が起こり、血糖値を下げようとインスリンが多く分泌されるのです。
妊娠中はホルモンの影響でこのインスリンの働きが妨害されるために血糖値が下がりにくくなり妊娠糖尿病を招く恐れがあります。
また、多く摂りすぎてしまった糖分は脂肪となり蓄積されてしまいます。
体重の増加は血圧をも上昇させてしまいます。
さつまいもの小豆寄せ 〜赤ちゃんにもママにも嬉しいおやつ〜
材料
- さつまいも・・・中1本
- 小豆缶詰・・・・250g
- 粉寒天・・・・・4g
- 水・・・・・・・400ml
作り方
- さつまいもは皮ごと(皮には食物繊維、ポリフェノールが含まれます)1口サイズよりも小さめに切る。
耐熱容器に大さじ1杯の水をかけ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで500W、5分間加熱。
様子を見ながら柔らかくなるまで加熱していく。
タッパーやバットなどの平たい容器に敷き詰める。 - 大きめの鍋に水と粉寒天を加え、2〜3分煮立たせる。
- 火を止め、小豆缶詰を加えてよく混ぜる。
- さつまいもを並べた容器に3を流しいれる。
- 常温でも固まりますが、冷やしても美味しく食べられます。3日程度は冷蔵庫で保存して美味しく食べられます。
さつまいもは少しずつ加熱していくことで、甘みが増します。
小豆には糖質を効率よくエネルギーに変えくれるビタミンB1が含まれます。
他にも妊娠中には欠かせない葉酸、鉄分、食物繊維、カリウムも含まれますので是非、甘いものが欲しくなった際に作ってみてくださいね!