体の基盤!妊娠中、食事でタンパク質とれている?
肉や魚、卵、豆腐・大豆製品、乳製品といったタンパク質を多く含む食品を毎食欠かさず食べていますか?
妊娠中、タンパク質はとても重要です。
タンパク質を体内に摂り入れることで、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が効率よく吸収されます。
それによって健全な筋肉、骨、血液、臓器などが作られます。
これはお腹の中の赤ちゃんも同じです。
妊娠中は貧血のリスクが高くなりますし、筋力が弱っているとお産がスムーズに進まないこともあります。
そうしたリスクを低減するために必要な血液や筋肉のもとになるのがタンパク質なのです。
《著者紹介》
工藤有希
2001年、日本大学短期大学部食物栄養科卒業後。栄養士として病院に勤務しながら管理栄養士資格を取得。その後、高齢者介護施設で管理栄養士として勤務し栄養ケアマネージメント等に従事。妊娠、出産を機に退職。現在は、育児の傍ら特定保健指導や健康アドバイザーとして活動中。妊娠中の体重増加や高血圧、子どもの便秘や度重なる体調不良を食生活で改善した経験から、栄養管理の重要性を再認識。これからも管理栄養士として、様々な方々のお役に立ちたいと勉強に育児に奮闘中です。
タンパク質と食材
肉
牛肉の赤身部分には鉄分が豊富に含まれおり、野菜や海藻類に含まれる鉄分に比べて効率よく鉄を吸収することができます。
豚肉や鶏肉には糖質や脂質の代謝を促進したり疲労回復が期待できるビタミンB群が豊富です。
それぞれが妊娠中に摂りたい栄養素を持ち合わせています。
肉は脂身が気になるところですが、牛肉や豚肉は脂身が少ないものを選ぶ、鶏肉の皮は取り除くといった工夫でカロリーダウンができます。
魚
魚に含まれる脂は、肉の脂と比べて低い温度でも溶けるので、血液中の滞ったものを溶かし、血液の流れを安定させてくれます。
高齢出産で特に心配される高血圧症、下肢の静脈瘤を予防する効果が期待できます。
調理するときは塩分を最小限にし、大葉やネギ、生姜などの香味野菜、七味唐辛子やこしょうなどの香辛料を活用することで、美味しく召し上がることができ、塩分も控えることができます。
豆腐・大豆製品
豆腐にはカルシウムが多く含まれ、豆腐の良質なタンパク質によって吸収が格段に促進されます。
消化吸収が良いので、妊娠周期が進んでも子宮で圧迫された胃に負担をかけることなく食べられます。
卵
完全栄養食と言われるほどで、ビタミンC以外のほとんどの栄養素を含みます。
妊娠中には積極的に摂りたい鉄分やカルシウムが豊富に含まれています。
味噌汁に加えたり、冷蔵庫の残り野菜で卵焼きにしたりと、手軽に調理できるのも妊娠中の強い味方です。
乳製品
牛乳200mlで1日に必要なカルシウムの約1/3が補えます。
牛乳が苦手な場合、チーズやヨーグルトでもカルシウムは補えます。
料理にはもちろん、牛乳やヨーグルトとフルーツでジュースにして間食にも使用できる食材です。
タンパク質を含む食材は様々
このようにタンパク質を多く含む食材といっても、栄養素の種類や量がそれぞれ異なります。
どの食品にも妊娠中に摂り入れたい栄養素が含まれていますので、1日3食、同じ食品が重ならないように摂ることで、栄養素の偏りが防げます。
万能そぼろ
タンパク質を補えて、作り置きもできるとても簡単な「万能そぼろ」をご紹介します。
材料
- 豚ひき肉・・・200g
- 高野豆腐・・・一切れ(水に戻し、絞ってみじん切りもしくはフードプロセッサーにかけて細かくする)
- 長ネギ ・・・5センチ程度
- 生姜 ・・・お好みで
- 醤油 ・・・大さじ1
- 砂糖 ・・・大さじ1
- みりん ・・・大さじ1
作り方
- 火にかける前にフライパンに全ての材料を入れよく混ぜる。
- ひき肉がほぐれ高野豆腐と馴染むまで混ぜ合わせる。
- 火にかけ、汁気がなくなるまで煮る。
高野豆腐にはタンパク質やカルシウム、鉄分など大豆が持つ各栄養素が凝縮されています。
乾物なので通常の豆腐に比べ保存期間も長いので、常備しておくととても便利です。
材料はお好みによって調整しても美味しくい作れます。
冷凍して保存することも可能です。
その際には、冷めてからジップロックやお弁当用の小さなカップ(アルミ製以外)に入れましょう。
使用するときは、よく温めてから使用しましょう。
冷蔵で3日間、冷凍で1ヶ月間の保存であれば美味しく召し上がれます。
おにぎりや中華まんの具材として、卵焼きや他のお野菜を加えて焼きそばに、餃子の餡や麻婆豆腐にと、何にでも合わせやすく、タンパク質も補うことができます。
また、つわりで食欲のないときでも、ご飯にかけたりおにぎりにしたりすれば、手軽にタンパク質が補えます。
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