アンタゴニスト法・低刺激法はロング法・ショート法と、どう違う?

アンタゴニスト法 低刺激法は、ロング法・ショート法で採卵がうまく出来なかった人が使う卵巣刺激法でもあるのですが、

  • 多嚢胞性卵巣症候群の人
  • 過去にロング法やショート法でOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になったことがある人

にも用いられる卵巣刺激方法です。

アンタゴニスト法がロング法・ショート法と違う点

アンタゴニスト法がロング法・ショート法と違う点は、排卵抑制剤に点鼻薬のGnRHアゴニスト製剤を使わずに、
GnRHアンタゴニスト製剤を注射する
ことです。この注射があるので、ロング法・ショート法のように、点鼻薬の排卵抑制剤を長期間使用する必要がありません。

実は、ここがポイントで、排卵抑制剤のGnRHアゴニスト製剤は、脳下垂体から分泌されるFSH(卵巣刺激ホルモン)を長期間、強引に抑え込んでいるんです。でも、アンタゴニスト法の場合はその必要が無いため、投薬の中止による脳下垂体の機能回復が早くて、体への負担がとても軽くなります。

それから、場合によっては、採卵直前の排卵促進剤の注射が必要ない場合があります。何と、排卵促進剤の代わりに、点鼻薬のGnRHアゴニスト製剤を使うことが出来る場合があるんです(ここはクリニックによって異なるようですが・・・)。これが可能であれば、卵巣への負担が減りますから、体への負担は本当に軽くなりますね。

アンタゴニスト法はショート法と同じで、38歳以上が対象の場合が多い

ここまで書いたように、アンタゴニスト法の特徴は、誘発剤の使用回数が少なくて、卵巣への刺激が弱いことです。そのため、38歳以上の人が対象になることが多いですし、排卵誘発剤でOHSSになったことがある人に用いられる場合が多いですね。

アンタゴニスト法のメリットとデメリット

アンタゴニスト法には、他にも

  • 卵子の質が良い
  • 予想外の排卵リスクが無いので、排卵コントロールがしやすい

という良い点があります。

一方で、

  • 採卵数が少ない
  • 未成熟卵が増える可能性がある
  • スケジュールコントロールがロング法よりしづらい
  • 通院回数が多い
  • 費用が高い
  • 注射による筋肉痛がある
  • というデメリットもあります。

    アンタゴニスト法のスケジュール

    排卵誘発剤

    ロング法・ショート法と異なり、アンタゴニスト法は、排卵誘発剤の注射から始まります。体外受精する生理周期の月経3日目から、排卵誘発剤であるhMG製剤の注射を始めます。

    排卵抑制剤

    卵胞の大きさが14mmくらいになったら、GnRHアンタゴニスト製剤とhMG製剤を一緒に2~3日打ちます。ここが、ロング法・ショート法との一番の違いですね。

    排卵促進剤

    卵胞が18mmくらいになったら、排卵促進剤の注射を打ちますが、ロング法・ショート法との違いは、ここで、GnRHアゴニスト製剤の点鼻薬を代用できる可能性があるということ。必要に応じて、主治医に聞いてみると良いと思います。

    低刺激法|肉体的・経済的負担が少ないが、採卵数が少ない

    排卵誘発剤を、注射を使わずにクロミッドなどの飲み薬にして、卵巣への刺激を最小限に抑えたものが低刺激法です。

    ただし、低刺激なだけに、高齢になっている人には使用できない方法です。具体的には、35歳以下で卵巣機能がよい人に使われることが多いようですね。

    その他にも、多嚢胞性卵巣症候群の人、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を起こしやすい人や、多く注射をしても卵胞があまり育たなかった人に使用される場合もあるようです。

    低刺激法のメリットとデメリット

    長所としては、

    • 卵巣への刺激が最低限
    • 身体的負担や卵巣への負担が少ない
    • 卵巣過剰刺激症候群などの副作用発生頻度が少ない
    • 注射する期間が短い
    • 費用が少なくてすむ

    といったところ。

    ただし、低刺激なので、
    ・採卵数が少ない
    といったデメリットもあります。

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