妊娠には、脂質とコレステロールも必要。理由はホルモンにあり

脂質」「コレステロール」って言うと、健康の敵!美容の敵!的なイメージがありますね。
でも、実は、脂肪はとても大切な栄養素の1つで、妊活には欠かせない働きも持っています

一般的に悪いイメージの脂質とコレステロールが、妊娠にとってどうして大切なのか?
ここではそれについて書いていきます。

良い脂質・普通の脂質・悪い脂質

脂質と一口に言っても、体に良いものと悪いものがあって、実は、次の3つの種類があるんです。

  • 不飽和脂肪酸(良い脂質)
  • 飽和脂肪酸(普通の脂質)
  • トランス脂肪酸(悪い脂質)

Fotolia_57560986_XS不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やすことで、血流を良くしてくれます

飽和脂肪酸は、適量を摂っている分には何も問題なく、摂取し過ぎた時に動脈硬化などを引き起こす可能性があります。

最後にトランス脂肪酸は、妊娠力を落とす原因を作るとても有害な脂質なので、極力摂らない様にする方が良いですね。

補足:コレステロールについての知識

Fotolia_83021052_XSさて、この2つの不飽和脂肪酸が「良い脂質である」ことを説明する前に、コレステロールについて説明しないとなりません。

コレステロールっていうと、健康診断で引っかかる「有害な物質」みたいなイメージがありますが・・・じつはコレステロールは人間にはとても大切な物質なんです

コレステロールは、肉などに含まれる飽和脂肪酸や、マーガリン・フライドポテト・お菓子などに含まれるトランス脂肪酸を原料にして肝臓で作られています。
肝臓で作られた後は、全身に運ばれて、細胞膜を維持したり、性ホルモンなどのホルモンや胆汁の原料になったり、血管を保護する役割を担っているので、実はとても大切な物質なんです。

それなのに、なぜコレステロールには「悪者」的なイメージがついているのでしょうか?

コレステロールは肝臓で作られた後、”LDL”という物質によって、体の随所に運ばれます。
これを「LDLコレステロール」または「悪玉コレステロール」と言います。

一方で、余分なコレステロールは回収されないとならないので、”HDL”という物質によって体の随所から回収されます。
これを「HDLコレステロール」または「善玉コレステロール」と言います。

ところが、このLDLによって運搬されるコレステロールとHDLによって回収されるコレステロールのバランスが崩れると、血液中には、余分なコレステロールが残ってしまいますよね。
余分なコレステロールが血液中に残ると、それが原因で血管が詰まってしまいます。
そうなると動脈硬化などの症状が出てしまいます。

Fotolia_65664322_XSそのため、コレステロールは「悪者」になってしまっているわけですね。

そして、肝臓から運ばれるコレステロールを「悪玉コレステロール」、全身から回収されるコレステロールを「善玉コレステロール」と呼んでいるわけです。

全身に運ばれたコレステロールが残ってしまえば、動脈硬化などのリスクが高くなるため、
・「悪玉コレステロール」が多いと良くない状態、
逆にしっかりと余分なコレステロールが回収されているという意味で
・「善玉コレステロール」が多いと良い状態
ということになります。

また、コレステロールが少ないと免疫力が低下すると言われているとも言われていて、あくまでもコレステロールはバランスが大切ということになりますね。

3つの脂質は、妊娠力に大きく影響します

不飽和脂肪酸は、妊娠力を上げてくれる「良い」脂質

さて、ここまでのコレステロールの話を前提に、脂質についての説明を続けていきます。

不飽和脂肪酸は、妊活に限らず、人間の健康にとってはなくてはならない栄養素です。

不飽和脂肪酸には、次の2種類あります。

  • 一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸)
  • 多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸)

一価不飽和脂肪酸というのは、オリーブオイル、キャノーラ油、アボカド、アーモンド、ゴマなどに含まれている脂質で、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
オメガ9脂肪酸と言う名前で呼ばれることもあります。
また、血糖値・炎症のコントロールを助ける働きもあって、妊娠力を高めてくれるんです。

Fotolia_68277194_XSまた、多価不飽和脂肪酸というのは、魚・大豆などに含まれていて、同じく悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やしてくれます

さらに、血圧を下げる、血栓を防ぐなどの働きで、血流を改善してくれます。
多価不飽和脂肪酸には、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があって、むしろこちらの名前の方が有名かもしれませんね。

善玉コレステロールが増えるということは血流が良くなりますから、卵巣や子宮への血流も良くなり、妊娠力があがります
また、不飽和脂肪酸で血糖値のコントロールができれば、インスリンのコントロールもできます。

インスリンの分泌バランスが崩れると、多嚢胞性卵巣症候群など排卵障害の原因になりかねないので、不飽和脂肪酸は、妊娠には欠かせないですね。

重要なのは、どちらの不飽和脂肪酸も体内では生成できないということ。食事によってしか体内に吸収できません。だから、
妊娠力を上げるためには、不飽和脂肪酸を食事によって摂取することは、とても大切
になりますね。

Fotolia_76286973_XS不飽和脂肪酸の中でも、妊活にとても重要なのが、DHAとEPAです

DHAとEPAについて詳しく知りたい人は次の記事を読んでみて下さい。

飽和脂肪酸は妊娠には欠かせない、でも摂りすぎに注意!

Fotolia_68594270_XS飽和脂肪酸は、肉類、乳製品、ココナツオイル、パーム油などに含まれていて、肝臓でコレステロールを生成するために必要な物質です。

そしてコレステロールによって女性ホルモンなどの性ホルモンが生成されます
だから、飽和脂肪酸を摂取することは、妊活にはとても大切ですね。

一方で、摂りすぎるのは良くないです。
なぜなら、肝臓で作られるコレステロールが増えすぎてしまうから。
いわゆる悪玉コレステロールがどんどん増えてしまうことになります。

妊娠のために、トランス脂肪酸は極力摂らないようにするべし

まず、トランス脂肪酸が含まれる可能性がある食品には以下のようなものがあります。
 マーガリン、ドーナツ、クッキー、
 ショートニングが含まれる食品ケーキやクッキーなどのお菓子、
 スナック菓子、菓子パン、フライドポテト、マヨネーズ、レトルト食品、冷凍食品、
 チョコレート、アイスクリーム、ドーナツ、チキンナゲットなど

トランス脂肪酸は、食用の油を高温で加熱した時や、食用の油を加工する途中に出来てしまう脂肪酸で、自然界には存在しないそうです。
人間が人工的に作り出した脂質ってことですね。

Fotolia_67831760_XSトランス脂肪酸は、実は世界的に問題になっている脂質で、

  • 悪玉コレステロールを増やして心筋梗塞などのリスクが増える、アレルギー性の喘息・鼻炎などを引き起こす
  • 排卵関係の不妊リスクが高まる
  • インスリン抵抗性を生じることで、排卵障害、子宮内膜症に影響
  • 精子の数を減少させる

などの報告が次々とされています。

そのため、世界的にみると、トランス脂肪酸を食品のパッケージに表記することを義務付けている国が増えているのですが、日本は、まだ任意になっていますね。

国の見解としては、「これまで日本で行われたトランス脂肪酸の摂取量調査では、トランス脂肪酸の平均的な摂取量はWHOが設定した目標値を大きく下回っており、
いろいろな食品をバランスよく食べればトランス脂肪酸による健康リスクは低いと推定されます(農林水産省のHPから抜粋)」となっていて、結果として、トランス脂肪酸の表記は、メーカーの任意となっているわけです。

妊活するにあたっても怖い物質ですので、トランス脂肪酸の表示は義務付けて欲しいところですが・・・まだ未対応と言うのが、現状です。

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