閉塞性無精子症なら、MESAやPESAで精子を取り出す

不妊治療関連の雑誌や本を見ていると、MESA、PESA、TESE、MD-TESEと言った言葉を目にすることがあると思います。

これ、どれも無精子症の場合に、体内から精子を取り出す方法なんですが、この中のMESAとPESAは閉塞性無精子症の場合の採精方法、TESEとMD-TESEは非閉塞性無精子症の場合の採精方法となります。

この記事では、MESAとPESAについて説明を書いていきます。

無精子症には2種類ある

無精子症には

  • 閉塞性無精子症
  • 非閉塞性無精子症

の2種類があります。

閉塞性無精子症は、
「精巣で精子は作られているけど、精管が閉塞してしまっているために、精液中に精子が無い」
という症状で、

非閉塞性無精子症は、
「精管に異常はないけれど、精巣の造精機能に問題があって、精液中に精子が見つからない」
という症状です。

MESAもPESAも閉塞性無精子症の時に用いられる方法

このうちの閉塞性無精子症、つまり精巣の造精機能に問題が無いケースで、顕微受精をするために体内から精子を取り出すために行われる手術が、MESAとPESAになります。
※非閉塞性無精子症で使われるTESEとMD-TESEについてはコチラに書いています。

MESAもPESAも精巣ではなく、精巣上体という部分から精子を取り出します。
(精子は精巣で作られた後、精巣上体に箱ばれます。詳しくは⇒「精子の生産と射精のしくみ」)

MESAもPESAも、精巣の造精機能に問題が無いからできることであって、精巣の造精機能に問題がある「非閉塞性無精子症」の場合は、精巣上体からでは精子を取り出せません。
精巣そのものを切開して探していかないと精子が見つからないんです。(だから、TESEやMD-TESEが用いられます。)

MESAとPESAは日帰りで手術可能

MESAやPESAは、数十分で手術が終わるケースが多く、日帰りでの手術が可能です。
これは、非閉塞性無精子症の採精方法で使われる、TESEやMD-TESEと大きく違うところで、これらに比べると、MESAもPESAも体への負担は軽いですね。

ただし、MESAは日帰りは出来るものの、手術の翌日は、1日仕事を休んだ方が良いようです。
仕事が忙しくて休めない場合は、PESAが良いです。
PESAであれば、翌日仕事を休まずに済みます。

MESAとPESAの違いは?

では、MESAとPESAでは何が違うのでしょうか?

MESAは、「外科的精巣上体精子回収法」とも呼ばれ、外科的手術を必要とします。

陰嚢を切開して、精巣上体を取り出し、外科的手術で精子を取り出します。
部分麻酔または全身麻酔が必要なんですが、入院の必要はありません。
日帰りで手術が可能ですし、かかる時間も数十分ですみます。

これに対して、PESAは、もっと簡単。
「経皮的精巣上体精子回収法」とも呼ばれ、皮膚の上から針をさして精子を回収するだけです。

陰嚢の皮膚から、精巣上体に針を指して採精するので、陰嚢を切開したり、外科的手術をしたりといったことがありません。
だから体への負担はPESAの方が軽いです。

ただ、一方で、精巣上体から「質の良い」精子を「少しでも多く」採取するためには、MESAの方が向いているようですね。

ちなみに、非閉塞性無精子症の場合の採精方法となるTESEやMD-TESEは、全身麻酔の上、手術は1時間ほどかかり、入院の必要があります。

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